「IPython 7.1」リリース

 対話型Python実行環境「IPython」開発チームは10月28日、最新安定版「IPython 7.1」を公開した。

 IPythonはインタラクティブなコンピューティング向けアーキテクチャで、対話的シェル、Jupyter向けカーネル、GUIツールキットとインタラクティブなデータ視覚化機能などの特徴を持つ。組み込み可能なインタープリタを用意し、並列コンピューティングのためのツールも備える。

 IPython 7.1は、9月末に公開された最新のメジャーリリースであるIPython 7系の最初のマイナーリリース。

 IPython 7はPython 2のサポートのないメージャーリリースとしては2回目のリリースとなり、Python 3の特徴を活用した。例えば、Python 3.5で導入したasync/awaitシンタックスをIPythonターミナルのトップレベルで使うことができるようになった。トップレベルでコードを自動待機するため、イベントループやランナーにアクセスする必要はないという。このほかにもprompt_toolkitがバージョン2.0になるなど、多数の新機能が加わっている。

 7.1では、Sphinxディレクティブで設定オプションなどの強化が加わった。Sphinx Directiveのドキュメンテーションも新しくなった。

 IPython.display.Videoでwidth(幅)とheight(高さ)の引数をサポートした。これにより、幅と高さをカスタム設定できる。また、viとemacs間でのダイナミックな編集の切り替えが可能になった。IFrameではなくHTML(‘<iframe>’)を使用すると警告するようになった。

 このほか、多数のバグが修正されている。

 IPython 7公開を受け、6系は重要なバグが発見されない限りは最新版のリリースをしないとしており、6系ユーザーは7系へアップグレードするよう呼びかけている。

IPython
https://ipython.org/