「SciPy 1.0」リリース、最初のリリースから16年
SciPy Projectは10月25日、科学など学術用途向けのPythonライブラリやツールをまとめた「SciPy 1.0」を発表した。最初のリリースから実に16年を経ての正式版となった。
SciPyは、数学、科学、工学向けのPythonベースの「オープンソースソフトウェアエコシステム」を標榜するもので、数値演算ライブラリのNumPy、科学演算向けライブラリ「SciPy library」、2Dプロッティングツール「Matplotlib」、インタラクティブなコンソール「IPython」、記号数学ライブラリ「SymPy」、データ構築・解析ツール「pandas」などを含む。
2001年に最初のバージョンである0.1が公開されてから、16年を経てのバージョン1.0リリースとなった。ビルドを改善し、Windows Wheels(バイナリディストリビューションフォーマット)が初めてPyPI(Python Package Index)で利用できるようになった。また、Linuxに加えてWindowsとMac OS Xでも継続的インテグレーションを利用するようになった。
Ordinary Differential Equation(ODE:常微分方程式)ソルバが新しくなり、インターフェイスを統一した。2種類の信頼領域オプティマイザ、リニアプログラミングメソッドなどが加わり、scipy.optimizeと比較すると性能も改善した。
Basic Linear Algebra Subprograms(BLAS)、Linear Algebra PACKage(LAPACK)関数のラッピングが進み、BLASラッパーは完成となった。
SciPyはプロジェクトのWebサイトより入手できる。利用にはPython 2.7または3.4以下、NumPy 1.8.2以上が必要。
SciPy Project
https://www.scipy.org/