「JDK 11」リリース、初となる長期サポート(LTS)版
OpenJDKは9月25日、Java SE 11プラットフォームのリファレンス実装「Java Development Kit(JDK)11」を一般公開した。新しいリリースサイクルに基づく初の長期サポート(LTS)版となる。
Java Community Process(JCP)で策定されたJSR 384仕様に基づくもの。Oracleは先にリリースサイクルの変更を発表しており、2018年3月より6か月おきにリリースを行うことになっている。この一環として、サポート期間が8年以上のLTSを3年に1回公開することになっている。Java 11はそれに基づいてリリースされる初のLTS版となる。
ネスト型の考えに倣ったネストベースのアクセス制御を導入した。また、最新のガベージコレクタEpsilonを導入した。メモリの割り当てを処理するが実際のメモリ回収は実装しないNo-Op型で、性能テスト、仮想マシンインターフェイスなどで利用できる。TLS(Transport Layer Security)は1.3をサポート、暗号アルゴリズムのChaCha20とPoly1305をサポートした。Unicodeのサポートはバージョン10となった。
JavaScriptエンジンのNashornは非推奨となった。将来的には削除となる。JDK 9でインキュベーション扱いとなったHTTP Clientを標準化した。CompleteableFuturesを通じてノンブロッキングのリクエストとレスポンスのセマンティックを提供するもので、JDK 9から完全に書き直し非同期となった。HTTP/2サポートも実現した。
Javaアプリケーションのトラブルシューティング向けのオーバーヘッドが低いデータ収集フレームワークFlight Recorderを導入した。商用版で提供されていた機能で、データをイベントとして生成/コンシュームするAPI、バッファメカニズムなどの機能を持つ。