JavaScriptフレームワーク「Ember 3.2」が公開

 オープンソースのJavaScriptフレームワークEmber Projectは7月2日、最新版となる「Ember 3.2」を公開した。Ember.js、Ember Data、Ember CLIがそれぞれ最新版となり、機能強化が加わっている。

 EmberはTildeが開発するJavaScriptフレームワークで、開発者はこれを利用してWebアプリケーションを作成できる。コアフレームワークのEmber.js、データ永続性ライブラリのEmber Data、Ember.jsアプリケーションの管理とパッケージのためのコマンドラインインターフェイスのEmber CLIで構成される。開発者の生産性に注目し、テンプレートの統合、データ変更時の自動アップデート、使いやすいAPIなどの機能を備える。ライセンスはMIT License。

 Ember 3.2は、2月に公開されたバージョン3系の最新版。Ember.jsでは、テンプレートで新しいバインディングを作成するletテンプレートが加わった。また、ユーザー定義のプロパティやメソッドとの衝突を回避するため、Router#routerプライベートAPIの名称をRouter#routerに変更した。コンピュートプロパティの定義はdefinePropertyを使用するようになり、オブジェクトにコンピュートプロパティを割り当てられるようになった。

 Ember Dataでは、バージョン2.14で導入したlazy-relationship parsingで、左右以外のポリモーフィックな関係に対応していなかった点を修正した。このほか、ds-improved-ajax APIをサポートするアドオンがリリースされるなどの機能強化が加わった。

 Ember CLIでは、DOMアサーションを読みやすくするための依存性qunit-domがデフォルトで全てのアプリケーション/アドオンに加わった。ember-cli-qunit依存性が最新のものになり、find()を使えるようになった。一方でBabel 5のサポートが非推奨となった。

 Ember 3.2はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Ember Project
https://www.emberjs.com/