「Kubernetes 1.10」リリース
コンテナ化されたアプリケーションの実装、拡張、管理を自動化するKubernetes開発チームは3月26日、最新版となる「Kubernetes 1.10」を発表した。コンテナ標準のCSI実装がベータになるなど、ストレージを中心に多数の機能が強化されている。
Kubernetesはコンテナ運用自動化のためのソフトウェア。アプリケーションを構成するコンテナを論理ユニットとしてグループ化することで、管理や発見を容易にする。Googleが自社向けに開発したものをオープンソースで公開したものだが、現在はLinux FoundationのCloud Native Computing Foundationの下でプロジェクトが進められている。
Kubernetes 1.10は2017年12月に公開されたバージョン1.9に続く最新版。成熟、拡張性、プラグイン機構の3分野にフォーカスし、ストレージ、セキュリティ、ネットワークの各機能の安定化を進めた。
ストレージでは、Container Storage Interface(CSI)の実装がベータとなり、新しいボリュームプラグインのインストールがpod実装のように容易になったという。これにより、サードパーティのストレージ提供者はKubernetesコードベースに依存しないソリューションを提供できるとしている。
non-sharedのローカルストレージ管理Durableはベータ扱いとなり、ネットワークアタッチがなく、ローカルにアタッチされたストレージを永続的ボリュームとして提供できるようになった。これにより、分散ファイルシステムとデータベースの性能を改善しコストを下げることができるとしている。
Persistent Volumesでは、pod使用時はPersistent Volume Claimsを削除しない、Persistent Volume Claim向けのPersistent Volumeを削除しないなどの自動化機能が加わった(共にベータ)。
セキュリティでは、1.9で導入したCloud Controller Managerを補完するものとして、外部のセキュリティ証明書を利用できるようになった(アルファ)。これによりクラウド事業者らは特定のIAM(Identity and Access Management)サービス向けの認証ができるバイナリプラグインを提供できるようになる。このほか、podの安全性を強化する機能も加わっている。
ネットワークでは、インストール時にDNSサービスをCoreDNSに切り替えられる機能をベータ導入した。
これらに加え、GPU、FPGAなどとの統合ポイントを提供するDevicePlugins APIがベータとなるなど、多数の機能強化が加わっている。
Kubernetes
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