SLE 15とコアを共有する「openSUSE Leap 15」が登場

 The openSUSE Projectは5月25日、GNU/Linuxディストリビューション「openSUSE Leap 15」を発表した。

 openSUSE Leap 15はopenSUSE Projectが開発するLinuxディストリビューション。openSUSEはローリングリリース版である「Tumbleweed」も提供しているが、Leapは安定志向のユーザー向けと位置付けている。

 OpenSUSE Leap 15はエンタープライズ版の「SUSE Linux Enterprise(SLE)」と連携したリリースとなり、次期版「SUSE Linux Enterprise 15」とコアを共有した。これによってopenSUSE LeapサーバーからSLEへのマイグレーションが可能になり、Leap上のコードで開発し、エンタープライズ版に移行させるなどのことができるという。

 システム管理ツール「YaST」を強化し、パーティションツールのlibstorage-ngサブシステムを再構築した。これにより性能と信頼性、それに使い勝手も改善したという。ファイアウォールもSuSEfirewall2からFirewalldに変更となり、動的なネットワーク設定の統合などが強化されるとしている。

 YaSTではまた、AutoYaSTでプロファイルなどが改善され、libstorage-ngサブシステムのサポートが加わった。これにより、クラウドにおけるデプロイが簡単に行えるようになった。

 このほか、グループウェア「Kopano」、ファイル共有の「NextCloud」などを統合した。また、外観も新しくなった。デスクトップ環境は、デフォルトでWaylandが有効になっているGNOME、KDEなどから選択できる。

 システムの役割として、これまで通りのサーバーに加えて「Transactional Server」が選択できるようになった。Transactional Serverでは、コンテナプラットフォームプロジェクトのKubicの技術を利用したリードオンリーのルートファイルシステムによりアトミックアップデートの利点を得られるとしている。

 OpenSUSE Leap 15はX86_64をサポートし、物理、仮想で実装でき、ホストとゲスト、クラウドで動かすことができる。ARM64とPowerアーキテクチャ向けのポーティングはコミュニティにより開発が進められているという。

The openSUSE Project
https://www.opensuse.org/