「openSUSE Leap 42.3」が公開

 openSUSE Projectは7月26日、Linuxディストリビューションの最新版「openSUSE Leap 42.3」を公開した。「SUSE Linux Enterprise 12 Service Pack 3」と共通のコードベースを持つリリースで、サーバーインストールオプションを提供するなど、エンタープライズ機能を強化した。

 openSUSE Leap 42.3は2016年11月に公開されたopenSUSE Leap 42.2に続く42系の最新版で、マイナーリリースに位置付けられる。Linuxカーネルのバージョンは4.4で、「SUSE Linux Enterprise(SLE) 12 Service Pack 3」と共通のコアを持つ。パッケージは1万以上で、安定性を望むユーザー向けとしている。

 KDEの長期サポート(LTS)版であるKDE Plasma 5.8をデフォルトのデスクトップとするが、GNOME 3.20を始め様々なデスクトップ環境も利用できる。PHPはPHP 5に加えてPHP 7も提供されるほか、ファイアウォール設定ツール「Shorewall」がバージョン5.1にアップグレードされるなど、多数のパッケージがアップグレードされている。

 エンタープライズ機能の強化も行われ、SLE 12 SP 3由来のパッケージが加わった。コードを共有することで、openSUSEコミュニティやSUSEエンジニアよりバグ修正をはじめとしたメンテナンスを得られるという。

 サーバーの強化も継続して行われており、サーバーインストールオプションも提供される。GUIのないテキストモードのインストーラーで、インストール・設定ツールのYaSTの全オプションを提供する。Microsoft Exchangeライクなサービスを提供するKopanoコラボレーションプラットフォームも備える。

 システム管理者向け機能としては、バックアップソリューション「Borg」の強化などがある。DevOpsツールチェーンも備え、マイクロサービスを利用した開発が容易にでき、Docker、Kubernetes、Salt、Ansibleなどをサポート、これらを使った継続的デリバリーも実現するとしている。自動インストールのAutoYaSTにSlatStackなどの設定管理システムを統合、パーティション、ネットワーク設定を含むシステムのインストールを行い、外部ツールを利用してシステム設定ができるようになった。インストールではまた、VNC、SSHを使って遠隔からのインストールも可能という。

 バージョン42.3のリリースにより、バージョン42.2は6か月後にメンテナンス期間が終了する。そのため、開発チームはバージョン42.2ユーザーに対しアップグレードするよう呼びかけている。

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