性能が2倍に、「MySQL 8.0」が登場

 オープンソースのデータベース「MySQL」の開発チームは4月19日、最新のメジャーリリース「MySQL 8.0.11(MySQL 8.0)」を発表した。新たなメジャーリリスとなるMySQL 8系のGA(一般公開)版という位置付けで、5.7系より最大2倍高速としている。

 MySQL 8.0は2016年に公開されたMySQL 5.7に続くリリースで、アーキテクチャの変更が行われている。そのためバージョン番号も「5.8」ではなく「8」となった。2回のリリース候補(RC)版を経ての登場となる。

 Webやモバイル、組込、クラウドなどさまざまなアプリケーションでの利用を想定して開発しており、性能、安全性、開発者の生産性などが強化ポイントとなる。

 大きな新機能としては、データディクショナリの導入が挙げられる。従来個別のファイル内に記録されていたメタデータを単一のInnoDBテーブル内に格納できる仕組みで、メタデータに対するトランザクショナル性を実現した。SQLとNoSQLの両方を扱うアプリケーションを単一のデータベースを使って開発できるドキュメントストアも導入した。JSONのサポートも改善し、JSONデータを受けてリレーショナルテーブルとして返すJSON_TABLE()関数が加わった。

 また、Roleベースでの権限管理を行える「SQL Roles」が加わった。Roleの作成、権限付与・権限拒否などの機能が実装されており、安全性確保のための作業を大きく削減できるとしている。デフォルトのTLS/SSLライブラリはOpenSSLとなった。

 WITHクエリとして知られる「Common Table Expressions(CTE)」や、オプティマイザが認識しないインデックスである「インビジブルインデックス」も加わった。可用性が要求されるソフトウェアのアップグレードやデータベースの変更管理を改善するという。降順に参照する降順インデックスも導入、ソートの必要がなくなり性能を強化するという。

 パフォーマンススキーマ、情報スキーマの強化や、レプリケーションとInnoDB Clusterの性能向上も行われている。全体の性能は前バージョン比2倍となり、毎秒で最大180万クエリの処理が可能という。

 utf8mb4文字コードがデフォルトとなり、モバイルへの対応と多言語対応を強化するとしている。このほか、信頼性、レプリケーション、パーティショニングなどで多数の機能強化が加わっている。

MySQL
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