米Red Hatが「RHEL 7.5」を公開

 米Red Hatは4月10日(米国時間)、Linuxディストリビューションの最新版「Red Hat Enterprise Linux 7.5」を公開した。セキュリティ、ストレージ性能と効率化、コンテナ、管理などを強化している。

 Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 7.5は、2017年8月に公開されたRHEL 7.4に続く最新版。x86(64ビット)、IBM Power/z Systems、64ビットARMに対応する。

 OpenSCAPとRed Hat Ansible Automationを統合、セキュリティ自動化を進めた。OpenSCAPは米国立標準技術研究所(NIST)による情報セキュリティ対策の標準規格「Security Content Automation Protocol」のオープンな仕様。Ansibleの設定ファイル(Playbook)を直接OpenSCAPのスキャン結果から作成でき、ハイブリッドIT環境で迅速にセキュリティの修正が図れるという。規制遵守側では、ネットワークバウンドディスク暗号化(Network-Bound Disk Encryption)を強化し、データボリュームの自動復号をサポートすることで、機密データを様々な環境で安全にできるとしている。

 ストレージでは、ディスク空間の省スペース化と複製を削減するVirtual Data Optimizer(VDO)を導入した。Red Hatが2017年に買収したPermabitの技術を利用したもので、重複排除と圧縮によりクラウドとオンプレミスのデータストレージコストを最大で83%削減できるという。

 コンテナセキュリティの強化も行われたほか、Linuxコンテナイメージの作成・修正ツール「Buildah」がフルでサポートされた。コンテナランタイムやデーモンなしにコンテナイメージを実装できるもので、コンテナ化されたアプリケーションをより迅速に構築し、実装できるとしている。

 管理側では、Microsoft Windowsベースのインフラとの統合機能により、Windows Server実装との管理とやりとりやMicrosoft Azureとのデータのやりとり、Microsoft Active Directoryの性能などを強化するという。

 管理ではまた、Webインターフェイスを簡素化し、システム管理などの複雑な作業も容易になったとしている。

米Red Hat
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