「RHEL 7.4」リリース、管理自動化のための機能を強化

 米Red Hatは8月1日(米国時間)、Linuxディストリビューションの最新版「Red Hat Enterprise Linux 7.4」公開を発表した。Ansibleをベースとした自動化機能を導入したほか、性能やセキュリティも強化されている。

 Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 7.4は、2014年6月にリリースされたバージョン7系の最新版となる。

 大きなフォーカスとなった管理面では、Red Hat Enterprise Linux System Rolesを技術プレビューとして導入した。主要なバージョンのRHELに共通の管理インターフェイスを提供するもので、Ansibleの自動化機能を使って自動化ワークフローを作成し、それを修正することなしに複数のRHEL環境で利用できるという。Red HatではRed Hat Enterprise Linux System Rolesについて、Red Hat Satellite及びAnsible Towerを利用した自動化を補完する自動化機能と位置付けている。

 IoTやコンテナ環境に向けたミニマムな環境を提供するRed Hat Enterprise Linux Atomic HostのLinuxコンテナ機能も強化した。SELinuxとOverlayFSの統合、overlay2ストレージグラフドライバーの完全対応など、性能を損なうことなくセキュリティを強化した。さらにアップデートシステムrpm-ostreeではパッケージのレイヤ化が利用できるようになった。このほか、LiveFSを技術プレビューとして導入、セキュリティアップデートを再起動することなくインストールできるという。

 性能、セキュリティも強化されている。性能ではパブリッククラウドに実装時の性能を強化したほか、NVMe Over Fabricのサポートにより、NVMe(NVM Express)ストレージデバイスへのアクセスにあたってのオーバーヘッドを削減できるという。セキュリティでは、USB経由で接続するデバイスを制御するUSB Guardを特定のユーザーに対して設定できるようになり、データの漏えいなどの対策を講じることができるという。

米Red Hat
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