ownCloudから分離したnextcloudプロジェクト、2要素認証をサポートした「Nextcloud 10」をリリース

 独Nextcloudは8月24日(ドイツ時間)、オープンソースのファイル同期・共有ソフトウェア「Nextcloud 10」の公開を発表した。2要素認証の導入などが強化点となる。無料のコミュニティ版は同社Webサイトより入手できる。

 Nextcloudはオープンソースのファイル同期・共有ソフトウェア「ownCloud」からフォークして生まれたプロジェクトで、ownCloudを立ち上げた主要開発者が中心となってスタートした。プライバシーや柔軟性などを特徴とする。

 Nextcloud 10は6月に公開された「Nextcloud 9」に続く最新版で、システム開発関連の機能を強化した。「File Access Control」ではルールに基づいたファイルの自動タグ付けが可能となり、データのアクセスをより細かく厳格に管理できるようになる。合わせてWorkflowエンジンも機能拡張し、トリガーに基づいたアクションを実行できるようになった。

 新たにシステムの健康状態や性能をモニタリングできる「Server Information」を導入した。Webインターフェイスまたは既存のサーバーモニタリングシステムよりアクセスできる。外部ツールとの連携性も強化され、たとえばOpenNMSモニタリングアプリではNextcloud 10システムデータをサポートしているほか、Nagiosなどのツールを利用して設定モジュールを変更できるという。

 拡張性では、Sambaの変更通知のサポートを改善し、大規模なWindows Network Driveシステムで利用できるようにした。ストレージシステムに対する定期的なスキャンが不要となり、Nextcloudとストレージサーバーの両方での読み込みを減らすことが可能で、再スキャンがもたらす衝突リスクも回避できるとしている。Dropbox、Google Driveについても、UTF-8フル対応、アクセスの高速化などの強化が加わった。バックグラウンド処理を並列化することで、性能を改善できるとしている。

 認証とセキュリティでは、2ファクタ認証のプラグイン「Two Factor Authentication」を導入した。パスワードの総当り攻撃などの対策を講じることもできるという。SAML 2.0(Shibboleth)のサポートも強化した。

 これらに加えて、ユーザーインターフェイス、デスクトップクライアントなどでも強化や改善が加わっている。

NextCloud
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