「Wine 3.0」リリース、Direct3D 10/11をサポート
UNIX系環境向けのWindows API実装「Wine(Wine Is Not an Emulator)」の開発チームは1月18日、最新安定版「Wine 3.0」を公開した。
Wine(Wine Is Not an Emulator)はLinux、macOS、BSD系などのPOSIX互換OSに向けたWindows API実装。これによってこれらOSでWindowsアプリケーションを実行できるようになる。仮想マシンやエミュレータとは異なり、APIレベルでWindowsの機能を提供することで、性能の低下やメモリ消費を増やすことなくアプリケーションを実行できるという。
Wine 3.0は2017年1月に公開した「Wine 2.0」に続く最新版。6回のリリース候補版(RC)を経ての正式版となる。
本リリースではMicrosoftの3Dグラフィックス技術Direct3D 10/11をサポートした。これにより、Direct 3D 10/11を利用したゲームなどをWINE経由で実行できるようになるという。非同期のDirect3D Command Streamもサポートした。これにより性能を強化できるという。
DirectWriteとDirect2Dのサポート、Androidグラフィックドライバも強化した。Unicodeのサポートも強化し、HiDIPIのサポートも改善した。
一方で、年に一度のメジャーリリースを優先させるために、Direct3D 12、Bulkan、それにAndroid上でDirect3Dを有効にするためのOpenGL ESサポートなどは見送られたとしている。