WSA Pollを実装、「Wine 1.9」開発版が公開
WindowsアプリケーションをMac OS XやLinuxで動かすAPI互換レイヤ「Wine」の開発チームは2015年12月25日、最新版となる「Wine 1.9」を公開した。次期安定版となるWine 1.10に向けた機能強化が盛り込まれた開発版となる。
WineはWine Is Not an Emulatorの略で、Mac OS XやLinux、各種BSDといったPOSIX準拠のOS上でWindowsアプリケーションを動かすためのレイヤを提供する。Windows APIをその都度POSIX命令に変換するため、エミュレーションと比較して性能やメモリ消費面でのオーバーヘッドが少ないとしている。
Wine 1.9は1.10に向けた開発版。2015年12月半ばに公開されたWine 1.8のコードをベースとしており、コードフリーズの間に発見されたバグの修正が盛り込まれた。また、MicrosoftがアプリケーションのWinsockへのポーティングを簡素化する目的で2006年に開発したWinsock API「WSA Poll」を実装した。
このほか、標準フォントダイアログを修正し、x11におけるドラッグ&ドロップも改善されちえる。
Wine 1.9はWineプロジェクトのWebサイトより入手できる。ソースコードのほか、Ubuntu、Debian、Fedora、Mageia、Mac OS Xの各バイナリも公開予定。開発版という位置付けであり、利用には注意が必要だ。