米Facebook、PHP高速実行環境「HHVM 3.23」を公開

 米FacebookのHHVM(Hip Hop Virtual Machine)開発チームは11月17日、高速なPHP実行環境「HHVM 3.23」を公開した。

 HHVMはPHPおよびFacebook独自のプログラミング言語Hackで実装されたコードを実行できる仮想マシン。PHPの持つ開発の柔軟性を利用つつ、JITコンパイルアプローチによる高い性能を実現できる。PHP 5、PHP 7の主要な特徴をサポートする。

 HHVM 3.23は2014年に公開した3系の最新版となり、9月に公開したバージョン3.22に続くものとなる。

 ShapesでNullableとOptionalのフィールドを区別するようになり、shape型単位で構造的部分型をオプトインするようになった。

 変数を特定のブロックまたは関数に制限するusingステートメントに向けた作業を進めていることから、関数の名称でusing()を使えなくなった。型チェッカーで一部のファイルを無視するignored_paths .hhconfigオプションが加わった。

 MicrosoftのVSCode Language Server Protocolのサポートが加わった。また、タプル定数をサポートしたほか、括弧付き表現に対するメソッド呼び出しもサポートした。OpenSSL 1.1、Debian Stretch、Ubuntu Zesty/Ubuntu Artfulに対するビルドもサポートする。

 パッケージではGPG(GNU Privacy Guard)、HTTPSリポジトリなどが強化されている。

 なおFacebookは9月、2018年始めに公開予定のHHVM 3.24を最後に、それ以降PHP 5のサポートを削除する計画を発表している。Hackのプッシュを目的としたもので、PHP 7についても「ターゲットにしない」としている。3.23では実験的機能としてHack向けのバイトコードエミッタを導入している。

HHVM
https://hhvm.com/