モジュラー化を進めた「Fedora 27」リリース

 Fedora Projectは11月14日、Linuxディストリビューションの最新版「Fedora 27」を発表した。現在「Workstation」エディションと「Atomic」エディションが提供されおり、また約1ヶ月後にはサーバー向けの「Fedora 27 Modular Server Beta」の公開も予定されている。

 Fedora 27は2017年7月に公開されたFedora 26に続く最新版。当初の予定より2〜3週間ほど遅れての公開となった。カーネルはバージョン4.13をベースとする。

 Fedora 27ではモジュラー化を進めた。アプリケーションとディストリビューションのライフサイクルを分離するための取り組みで、パッケージからコンポーネントへ細分化を進めている。Linuxディストリビューションをモジュール単位にすることで、アプリケーションスタックを最新にしながら後方互換性を維持できるようにする。

 モジュラー化の取り組みを反映したServerエディションは、「Fedora 27 Modular Server Beta」として公開している。正式版は約1ヶ月後に公開予定という。

 今回公開されたWorkstationエディションでは、デスクトップ環境としてGNOME 3.26が搭載された。GNOME 3.26ではディスプレイやネットワーク関連の設定パネルが新しくなり、全体の設定パネルの外観も改善した。このほかWaylandのサポート、システム検索なども強化点となる。

 また、LibreOffice 5.4などのパッケージが更新されたほか、コンテナを利用したアプリケーション配布パッケージ技術「Flatpak」のサポートも進めた。

 開発関連では、Boost C++ライブラリがバージョン1.64になったほか、glib 2.26、Go 1.9、Java 9 Technology Preview、Perl 5.26、Ruby on Rails 5.1、Node.js 8などが搭載されている。

 組み込み/コンテナ向けのAtomic Hostでは、コンテナストレージ設定が簡素化されたほか、コンテナ化されたKubernetes、flannel、etcdを備えた。最新のrpm-ostreeも新しくなり、ベースパッケージのオーバーライドが可能になった。管理コンソールCockpitも新しくなっている。

 Fedora 27では32ビットのUEFIサポートも加わった。インストールではSSDドライブとの親和性を強め、ディスク暗号化技術LUKSで作成したストレージはDiscard/TRIMを有効にするオプションを使用できる。

The Fedora Project
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