Angularの新たなメジャーリリース「Angular 5.0」公開
JavaScriptフレームワークの「Angular」開発チームは11月1日、最新のメジャーリリースとなる「Angular 5.0.0」を公開した。
AngularはGoogleが中心となって開発するJavaScriptフレームワーク。Webとモバイルの両方に向けてアプリケーションを構築できる。速度と性能、豊富なツールなどを特徴とする。
Angular 5は、5月に公開されたバージョン4に続く最新版。9月に予定していたリリース予定から1ヶ月半遅れての公開となった。
全体として軽量化、高速化、そして使い勝手の改善を進めた。セマンティックを利用してバンドルを小さくするビルドオプティマイザがCLI(コマンドラインインターフェイス)に含まれ、CLIを使って作成した運用環境のビルドにこのオプティマイザを適用できるようになった。
CLIはバージョン1.5となり、Angular 5.0プロジェクトをデフォルトで生成するようになった。
Angularのステートをサーバーサイドとクライアントサイドで容易に共有できる「Angular Universal State Transfer API」を導入した。開発者がサーバーサイド・レンダリング(SSR)を行い、生成されたHTMLの上でブートストラップすることで、JavaScriptをサポートしていないクローラーやスクレイパーを加えることができるという。
5.0ではServerTransferStateModuleと対応するBrowserTransferStateModuleが加わり、これを利用してプラットフォームサーバーとのレンダリングの一部として情報を生成し、クライアントサイドに送ることができる。情報を再度生成する必要がなくなり、アプリケーションがHTTPを利用してデータをフェッチする場合などに有用という。
コンパイラも強化し、インクリメンタルなコンパイルのサポートを強化した。これにより、再ビルドを高速化できるという。また、Decoratorも強化し、useValue、useFactoryなどの値でラムダ式をサポートした。
数、日付、通貨のPipeで国際対応を強化した。4.3で導入したHttpClientも強化した。ReflectiveInjectorgがStaticInjectorとなり、アプリケーションの容量をさらに小型化できるようになった。
RxJS(Reactive Extensions for JavaScript)のサポートがバージョン5.5.2以降となった。RxJSの新機能である”lettable operators”(演算子が以前のインポートによる副作用を避ける機能)などを利用できるという。
Angular 5はプロジェクトのWebサイトより入手できる。
Angular
https://angular.io/