KDE、「フリーなスマートフォン」を目指すクラウドファンディングプロジェクト「Librem 5」と協力へ

 米PurismとKDEは9月14日、プライバシーと安全にフォーカスしたスマートフォンの開発に向けたクラウドファンデイングプロジェクト「Librem 5」で協力することを発表した。KDEのグラフィカル環境「Plasma Mobile」の採用を支援する。

 Purismは2014年創業のコンピューターメーカーで、フリーソフトウェアの考え方を製造プロセスに取り入れ、ユーザーの自由を尊重する端末を製造している。2015年、クラウドファウンディングを通じて100万ドルを調達し、安全とプライバシーにフォーカスしたコンピューター「Librem」を製造した。

 同社は現在「Librem 5」として安全とプライバシーにフォーカスしたスマートフォンを製造するクラウドファンデイングキャンペーンを展開しており、ここでKDEが開発するモバイル向けグラフィカル環境「KDE Plasma Mobile」の採用も支援する。Liberm 5のデフォルトのOSはPurismの「PureOS」で、主要なGNU Linuxディストリビューションが動くという。

 KDE Plasma MobileはPlasma Workspace、ウィンドウマネージャにKWIN/Waylandを採用し、「Plasma Apps」「Plasma Widgets」などQtベースのアプリケーションが動く。両者によると、KDE Plasma Mobileはすでに複数の商用端末でテストされているが、多くの場合でプロプライエタリなソフトウェアが必要という。Purismと組むことでこの問題も解消できる。

 同クラウドファンデイングキャンペーンでは目標調達額を150万ドルとしており、Libre 5(本体と充電器)が手に入る599ドル、1399ドル(Libre 5、互換性のある24インチのモニタ、キーボード、マウス)の2種類の料金を用意している。このほか、Libre 5がもらえないがプロジェクトを支援できるオプションも3種類あり、20ドル(支援のみ)、100ドル(支援とTシャツ)、299ドル(開発者向けのキットとして、画面、タッチ画面、開発用メインボード、ケーブル、電源装置、各種センサー)となっている。執筆時点で、残り34日に対して31.64%の47万4606ドルが集まっている。

 Librem 5のクラウドファウンデイングはAll-or-Nothing型で、目標金額に満たない場合は返金され、出資した金額は全て戻ってくるとしている。

 Librem 5は5インチ画面を搭載、2G/3G/4Gをサポートする。IPネイティブで、カメラやマイクなどを無効にするハードウェアキルスイッチなど、プライバシー保護やセキュリティにフォーカスしたデザインなどの特徴を盛り込むとしている。

米Purism
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