米Oracle、「Java EE」のオープンソース化を検討していることを明らかに

 米Oracleが「Java Enterprise Edition(EE)」プロジェクトをオープンソース団体に寄贈する意図を明らかにしている。

 Java EEはエンタープライズ向けのJava APIセット。開発者はこれを利用して企業向けのアプリケーションを構築できる。Oracleが2010年に買収した米Sun Microsystemsの技術で、J2EEとして呼ばれてきた。現行版は2013年に公開されたJava EE 7。

 Oracleは今回、次期「Java EE 8」の仕様がほぼ完成に近づいており、毎年秋に開催する「JavaOne 2017」が近づいていることもあり「Java EEが開発される方法について再考する時がきた」としている。

 Java EEはJava EEコミュニティが参加してオープンソースのように開発されているが、「ほかのオープンソースコミュニティと比べるとプロセスは迅速ではなく、柔軟性やオープン性についても高いとはいえなかった」とOracleのサーバーサイドJavaのソフトウェアエバンジェリスト、David Delabassee氏は記している。

 そこでオープンソース団体への寄贈を検討しているとのことで、「リファレンス実装とテスト互換性キットを含むJava EE技術」を移管する計画のようだ。これにより、プロセスをより高速化でき、ライセンスもより柔軟性があるものにできる他、ガバナンスプロセスも変更できると続けている。

 Java EEについては2016年、Java EE Gurdiansとする支援者(Javaの父、James Gosling氏を含む)がJava EE 8を予定通りリリースすることなどを求めた署名活動が起こっている。

 寄贈先については明かしていないが、コミュニティ、ライセンシー、複数の候補団体と共に方法を探っているとのこと。既存のJava EE実装、今後のJava EE 8の実装についてもサポートするとしている。

 なお、Java EE 8については、夏中にリファレンス実装を提供する予定という。

 Oracleはすでに、「OpenOffice.org」「NetBeans IDE」などSun買収で獲得した技術をオープンソースにしている。

米Oracle
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