Firefox 55リリース、ブラウザでVRを提供する「WebVR」をサポート
Mozillaは8月8日、WebブラウザFirefoxの最新版「Firefox 55」を公開した。Windows版ではWebブラウザでは初という「WebVR」対応が行われている。
Firefox 55は6月中旬に公開されたFirefox 54に続くリリースとなる。最大の特徴は、Windows版での「WebVR」サポート。WebVRはブラウザでVR体験を実現するためのJavaScript APIで、Mozillaの開発者がWebVRのオリジナル作者となっている。「HTC Vive」や「Oculus Rift」といったVRゴーグルに対応し、MozillaはWebVRで構築したVRコンテンツを集めた特設サイト(vr.mozilla.org)も用意している。
WebVRは現時点ではWindows版のみのサポートとなる。Mac版では開発者向けのNightly版でサポートしており、今後正式版への導入が見込まれる。
また、バージョン54で導入したマルチプロセスアーキテクチャにより、たくさんのタブを開いている際の複雑なWebサイトの処理が容易になった。55ではこれに加えて、パフォーマンスを微調整できるオプションを加えた。設定画面からアクセスできる。
性能面での改良としては他にも以前開いていたタブを復旧しての起動が高速になった点が挙げられる。1961個のタブを開いている場合、バージョン54では4分以上、バージョン51では8分近くかかっていたが、55は15秒と大幅に短縮されるという。安定性も強化し、64ビットWindows版ではメモリの消費量が少なくなり、クラッシュもしにくくなったという。
使い勝手も改善、アドレスバーよりGoogle、Wikipedia、Bingなど様々なWebサイトの検索エンジンを選択できるようになった。これまで検索ボックスでは可能だったが、アドレスバーでも可能になった。
このほか、セキュリティ欠陥を含むバグも修正した。開発関連ではES2017/2018のサポートも進め、async generatorsなどを利用できるようになった。IntersectionObserver API、SharedArrayBufferとAtomicsオブジェクトなど、Webの高速化につながる機能にも対応している。
同日公開したAndroid版では、タブ管理を強化したほかギリシャ語などに対応、バグも修正した。