SPIR-Vシェーダー拡張を統合した「OpenGL 4.6」が公開

 The Khronos Groupは7月31日(米国時間)、グラフィックAPI「OpenGL 4.6」の仕様公開を発表した。「SPIR-V」などARBとEXT拡張がコアに統合されている。

 OpenGLは2Dおよび3DコンピュータグラフィックのためのAPI。特定のプラットフォームに依存せず、WindowsやMacOS、各種Linux、BSDなどさまざまなプラットフォームで利用できる。

 OpenGL 4.5は2010年に登場したOpenGL 4系の最新版。仕様のリリースは米ロサンジェルスで開催中の「SIGGRAPH 2017」で発表された。

 並列コンピューティングとグラフィックをネイティブで行うクロスAPIの中間言語や、SPIR-Vのシェーダーを利用できるGL_ARB_gl_spirv、GL_ARB_spirv_extensions拡張をコアの仕様に統合した。これにより、コンテンツ作成者はシェーダーの編集と管理パイプラインを簡素化できると同時に、ソースシェーディング言語の柔軟性を提供できるとしている。

 GL_EXT_texture_filter_anisotropicをベースとした拡張、GL_ARB_texture_filter_anisotropicも統合され、異方性フィルタリング(アニソトロピックフィルタリング)を使えるようになった。

 これらに加えて、ドライバーのオーバーヘッドを削減するGL_KHR_no_errorも統合された。

 また、ジオメトリのバッチレンダリングが関連したCPUオーバーヘッドを削減するGL_ARB_indirect_parametersやGL_ARB_shader_draw_parameters、Direct3Dで利用できる機能のOpenGLサポートを標準化するGL_ARB_pipeline_statistics_queryやGL_ARB_transform_feedback_overflow_queryなどのARB拡張がコアに加わった。

 新しい拡張としては、GL_KHR_parallel_shader_compileとGLX_ARB_create_context_no_errorの2つが加わった。後者は、KHR_no_errorを補完するものでno-errorコンテキストの作成が可能になるという。

 OpenGL 4.5の仕様はプロジェクトのWebサイトで公開されている。

Khronos Group
https://www.khronos.org/

OpenGL
https://www.opengl.org/