コンピュータビジョンアプリケーション仕様「OpenVX 1.2」が公開

 標準仕様を策定する非営利団体The Khronos Groupは5月1日(米国時間)、コンピュータビジョンライブラリ「OpenVX 1.2」の仕様公開を発表した。

 OpenVXは、コンピュータービジョンアプリケーションとライブラリのためのオープンなロイヤリティーフリーの標準規格。消費電力効率の良いコンピュータビジョンアプリケーションを実現するとしている。リアルタイムのモバイルおよび組み込みプラットフォームをターゲットとし、汎用向けな機能を提供するOpenCLよりもハイレベルでのビジョン処理とメモリモデルをオペレーショングラフとして抽出する。具体的な利用分野としてはロボティクスや拡張現実、顔/体/ジェスチャーの追跡、スマートな映像監視、自律運転支援システムなどが挙げられている。

 OpenVX 1.2は2016年5月に公開されたバージョン1.1に続く最新版。ノードの条件付き実行により、OpenVXグラフにおける複雑なオペレーションの表現で制御と柔軟性を強化した。

 また、オブジェクト検出と認識を強化し、特徴セットをベースとしたオブジェクトの検出と認識向けのオペレーションを分類した。画像処理のオペレーションの範囲も強化した。

 今回のリリースにあわせて3種類の拡張機能も公開された。グラフのインポート/エクスポート、16ビットのイメージ操作、共通のOpenVXグラフノードニューラルネットワーク推論の3つで、グラフのインポート/エクスポートでは、グラフをオフラインでコンパイルして保存またはエクスポートし、ランタイムで効率よくインポートと実行ができるという。

 1.2の仕様公開に際して、AMD、Cadence、PowerVR、Texas Instruments、VeriSiliconなどの企業が支援を寄せている。

OpenVX
http://www.khronos.org/openvx