「GitLab 9.3」リリース、「ConvDev」機能などを導入

 オランダGitLabは6月22日、Gitリポジトリを中心とするプロジェクト管理ソフトウェアの最新版「GitLab 9.3」をリリースした。最大の特徴はエンタープライズ版で導入した「Code Quality」だが、オープンソースソフトウェアとして提供されているコミュニティ版でも「ConvDev Index」などが加わっている。

 GitHubはGitリポジトリ管理機能をベースにイシュートラッカーやコードレビュー、継続的インテグレーション(CI)、継続的デリバリー(CD)機能などを連携させたプロジェクト管理ツール。オープンソース版のCommunity Editionと有料のエンタープライズ版となるEnterprise Edition Sterter/Premiumがある。

 GitLab 9.3は3月に公開された9系の最新版。5月に公開されたバージョン9.2に続くリリースとなる。「アジャイル開発を進化させる」と位置付ける新しい開発手法「Conversational Development(ConvDev)」で、機能の使用率を測定できるConvDev Indexを導入した。GitLabを使いこなす開発者との比較により、どのワークフローを改善できるかを把握できるという。指標はまずGitLabのシステム管理者向けとして提供されるとのこと。ConvDevはGitLabが2016年9月に構想を発表したもので、開発プロセスを通じてグループの会話を通じて直感的な方法で追跡することで、協調や知識の共有を促し開発のライフサイクルを短縮できるという。

 また、パイプライン安全性を強化するため、「Protected Variables」を導入した。実装のための認証などの機密情報の保護を目的としており、「設定」メニューの「CI/CDパイプライン」より「protected」に設定できる。

 このほかリポジトリ設定の簡素化や、JIRA統合の強化によるJIRA設定の改善なども行われた。さらに検索とフィルタリングバー、イシューボード、GitLabサブグループなどでは使い勝手を改善した。プロジェクトリストの高速化、リポジトリのミラーリング手法を変更することによるサーバーの性能改善なども行われたという。

 エンタープライズ版では「Code Quality」としてマージリクエストウィジェットに直接コード品質レポートが表示されるようになった。変更がコードとプロジェクトに与える影響をすぐに把握でき、レビュー時間を短縮してミスをマージ前の早期段階で検出できる。また、「Multi-Project Pipelines Graphs」も導入した。アップストリームとダウンストリームのプロジェクトパイプラインの相関関係をグラフ表示するもので、マイクロサービスを利用する大規模なプロジェクトで有用としている。

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