オープンソースのスパムフィルタシステム「Rspamd 1.6」リリース
オープンソースのスパムフィルタリングシステムRspamdプロジェクトは6月12日、最新版「Rspamd 1.6」をリリースした。Milterプロトコルのサポート、ARC署名対応などの新機能が加わっている。
Rspamdは高度な機能を提供するスパムフィルタリングツール。正規表現、統計分析、URLブロックリストなどのサービスを利用してメッセージを評価する。単一のCPUコアで最大で毎秒100通のメールを処理できるなど高速さも特徴で、Webインターフェイスの提供、Postfix/Exim/Sendmailといったメール転送システムとの統合性、Lua APIによる拡張性なども備える。
Rspamd 1.6は、3月に公開されたバージョン1.5に続く最新版。本バージョンではSendmail、Postfixなどでよく利用されるプラグインMilterプロトコルをプロキシワーカーでサポートした。大規模システム向けのプロキシモード、小規模システム向けのセルフスキャンモードの2種類で利用できる。なお、これによりRspamdで進めてきたRmilterプロジェクトは非推奨となった。Rmilterユーザーはmilterサポートを利用する必要がある。
DMARC.orgで標準化が進むARC署名にフル対応し、DMARCモジュールでレポート送信が可能となった。SMTPのスマートホストを使用して、特定のドメインとポリシー向けにレポートを送ることができる。
また、Redisの新しいトークンストレージを実験的にサポートした。特定のトークンについてのデータの取得、トークンの有効期限設定が容易にできるという。内部キャッシュではLeast Frequently Used(LFU)アルゴリズムを利用できるようになった。これまでのLeast Recently Used(LRU)を置き換えるものとなり、よく参照されるアイテムを長期にキャッシュすることで全体のキャッシュの性能改善も期待できるとしている。
複数のメトリクスのサポートが削除され、メトリクスはdefaultのみとなった。プロキシで、スキャンレイヤにメッセージを送る際に圧縮を利用できるようになった。URLリダイレクトの改善など多数の機能が加わっている。
Rspamd
https://rspamd.com/