「GDB 8.0」リリース

 GNU Debugger(GDB)開発チームは6月4日、最新のメジャーリリース版となる「GNU Debugger 8.0」を公開した。

 GDBはAda、C/C++、Objective-C、Pascalなど多数の言語に対応するソースレベルデバッガ。GNU/Linux、UNIX、Windowsで動き、さまざまなプロセッサアーキテクチャに対応する。

 GDB 8は、2009年に公開された7系に続く最新のメジャーリリースとなる。本バージョンではC++のrvalue参照や、デバッグデータフォーマットDWARFのバージョン5がサポートされた。また、Pythonスクリプティング機能も強化され、btrace記録の開始/停止/アクセスを行う新たな関数が追加された。コマンドインタプリタも強化され、ユーザーコマンドの引数の数に制限がなくなったほか、evlコマンドではユーザー定義の引数も展開されるようになった。

 

 対応プラットフォームも拡張され、FreeBSD/mipsやSynopsys ARCなどのターゲットがサポートされた。WindowsホストでのコマンドラインリダイレクションサポートやWindows上でのスレッド名、LinuxのPKUレジスターなどもサポートされるようになった。

 機能強化の一方で、gcjでコンパイルされたJavaプログラムのサポートが削除となった。FreeBSD/Alpha、GNU/kFeeBSD/Alphaの組み合わせもサポート対象外となった。

 GDB 8はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

The GNU Project Debugger
http://www.gnu.org/software/gdb/