「GDB 7.9」がリリース、PythonスクリプティングAPIの強化などが行われる

 The GNU Project Debugger(GDB)開発者らは2月20日、最新版となる「GNU Debugger(GDB) 7.9」をリリースした。Pythonスクリプティング機能の強化や、新ターゲット設定としてMIPS SDEのサポートなどが加わっている。

 GNU Debugger(GDB)はソースレベルでのデバッグを行えるデバッガ。Ada、C/C++、Objective-C、Pascalなど多数の言語に対応し、さまざまなプロセッサアーキテクチャをターゲットにできる。

 2014年7月に公開されたGDB 7.8に続く本バージョンでは、引き続きPythonスクリプティングAPIが強化されている。また、GCC 5.0以上のビルドでインフェリア(inferior、プログラムの実行単位)でのソースコードの挿入とコンパイルが可能となった。これにあたって、「compile code」といった新しいコマンドも導入されている。

 マルチスレッドプログラムにおけるデバッグ時のレジューム処理も強化され、プログラムのレジューム前にスレッドを切り替えた場合でも、シグナル送信対象のスレッドにシグナルが送信されるようになった。従来はこのような場合、レジューム時に実行されていたスレッドにシグナルが送信されるようになっていた。いっぽう、signalコマンドは要求のあったシグナルを実行中のスレッドに一貫して送るようになった。そのため、プログラムが停止状態でかつユーザーがスレッドを切り替えていた場合、GDBが確認を求めるようになった。

 新しいターゲット設定としてMIPS SDEが加わり、GNU Hurd x86でのハードウェアウォッチポイントのサポートが加わった。一方で、VAX/BSD、VAX/Ultrixなど古い環境のサポートが削除されている。また、コマンド関連では「dll-symbols」が削除され、変わりに「sharedlibrary」を利用するか「share」エイリアスを利用することを推奨している。

The GNU Project Debugger
http://www.gnu.org/software/gdb/