RHEL 6.9互換の「CentOS 6.9」リリース

 Red Hat Enterprise Linux互換のLinuxディストリビューション「CentOS」開発チームは4月5日、最新版となる「CentOS 6.9」のリリースを発表した。

 CentOSは米Red HatのRed Hat Enterprise Linux(RHEL)と100%互換性を目指すLinuxディストリビューション。プロジェクトはRed Hatの支援を受けている。同じようなRHELクローンにはScientific LinuxやOracle Linuxがある。なお、米Oracleは3月末に「Oracle Linux 6.9」をリリース済み。

 CentOS 6.9は3月中旬にRed Hatが公開した「RHEL 6.9」と互換性のあるディストリビューション。対応アーキテクチャはi386とx86_64。ワークステーション、サーバー、最小構成などすべてのインストールを1つのリポジトリに集め、これに対して検証を行った。

 GnuTLSがTLS 1.2に対応、暗号化を使うすべてのパッケージがTLS 1.2を利用するようになった。Net::SSLeayとIO::Socket:SSLの両PerlモジュールでもTLSのサポートが改善されている。暗号化ではまた、postfix、vsftpd、rsyslog7、ipa-server、389-ds-base、krb5-server、sssd、libvirtなどで、暗号スイートの選択を改善した。また、安全ではない暗号プロトコルとアルゴリズムのサポートが削除されている。これによって1024ビット以下のMD5、SHA0、RC4、DHパラメーターが影響を受けるという。

 新たな設定ツールであるcloud-initもサポートされた。これによってクラウド環境などでの初期設定が容易になる。また、pacemakerではアラートエージェントのサポートによりクラスタにおけるイベントに柔軟に対応できるという。クラスタ設定ファイルの変換と分析のためのツールclutterはバージョン0.59.8となった。

 QEMU/KVM仮想マシンの任意のユーザー向けにパスワードを設定できるguest-set-user-passwordが加わった。ストレージドライバも強化し、システムのCPU情報を表示するパッケージcpuidも導入した。いっぽうで一部デバイスドライバやパッケージは非推奨となり、将来的に削除されることとなった。

CentOS Project
https://www.centos.org/