オープンソースのメールサーバー「Postfix 3.2」リリース

 メールサーバーソフトウェアのPostfix開発チームが、最新安定版となる「Postfix 3.2.0」をリリースした。

 Postfixは、Sendmailの代替としてIBMの研究施設に在籍していたWietse Venema氏がスタートしたメールサーバープロジェクト。Venema氏は現在Google勤務となったが、プロジェクトのサポートを継続ししている。

 Postfix 3.2は、2015年2月に13年ぶりに公開されたバージョン3系の最新版。2016年2月に公開されたバージョン3.1に続くものとなる。なお、3.2公開に伴い、「Postfix 2.10」のサポートは終了となる。

 本バージョンでは、新たにMySQLデータベース向けのストアドプロシージャのサポートが加わった。MySQLデータベースクライアントではデフォルトのoption_groupの値がclientになり、MySQLオプションファイルのclientのオプショングループ設定を読み込むようになった。

 OpenSSL 1.0.2以上での楕円曲線ネゴシエーションもサポートされた。これによって、デフォルトの「smtpd_tls_eecdh_grade」設定値が「auto」(自動)になり、ネゴシエーションの対象となる曲線名をもつ新しいパラメーターを導入した。非推奨となっているOpenSSL 1.1.0 APIを修正し、後方互換性のサポートに依存しなくても良いようになった。

 また、ポリシー委譲プロトコル、Milterプロトコル、XCLIENTプロトコルで、クライアント単位でのMilter設定をサポートした。Postqueueコマンドも変更し、すべてのメッセージの着信時間をUTCで報告しないようになった。このほかセキュリティ、TLS、Xclientなどで多数の機能強化が加わっている。

Postfix
http://www.postfix.org/