Mozillaが「後で読む」サービス「Pocket」を買収

 Mozillaは2月27日、「Pocket」を開発する米Read It Laterを買収したことを発表した。「後で読む」機能はFirefoxにデフォルトで統合されているが、今後は独立した新しい製品ラインとして開発が進められる。

 Read It Laterは2007年創業のソフトウェア開発企業で、Webページを保存してあと読みできる拡張機能「Pocket」をFirefox向けに開発・提供してきた。Mozillaは2015年6月にリリースしたFirefox 38より、Pocketをデフォルトで統合して提供している。Pocketの現在月間アクティブユーザーは1000万人で、これまでに保存されたコンテンツは30億件に達しているという。

 Mozillaは、モバイル、IoTからの撤退など事業の見直しと新しいロゴを含むブランディングなどの取り組みを進めてきたが、今回のRead It Later買収は「初の戦略的な企業買収」と説明している。Pocketはモバイルでの存在感強化につながるほか、ユーザーがいつでもWebコンテンツにアクセスできる技術を提供することで、インターネットをヘルシーに、オープンにするというMozillaのミッションを強化できるという。

 買収によりRead It LaterはMozillaの子会社となる。PocketはMozillaの独立した製品ラインとなり、Mozillaのオープンソースプロジェクトの一部となる。Mozillaはまた、Pocketのコアチームと技術はMozillaが進める「Context Graph」イニシアティブにも寄与するとしている。Context GraphはFacebookなど一部のサービスにコンテンツが集中する状況を懸念し、Web上での次のステップを提案するWeb向けレコメンシステムを開発するというもの。

 Read It Laterのオリジナル開発者でCEOを務めるNate Weiner氏は、Mozillaのリソースによりロードマップを補強し加速できるほか、Pocketの普及にもつながるとメリットを説明している。

Mozilla
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