JavaScriptフレームワーク「Vue 2.0」正式版がリリース

 JavaScriptフレームワーク「Vue.js」の開発チームは9月30日、最新安定版「Vue 2.0」(「Ghost in the Shell」)を公開した。性能強化を中心に多数の機能が加わっている。

 Vue.jsは開発者Evan You氏が中心となって進めるJavaScriptフレームワーク。DOMベースのテンプレートの実装を使用し、HTML、CSS、JavaScriptの知識があれば容易にアプリケーションやサービスを構築できるという。また、シンプルで最小限なコアと拡張性に優れたスタック、パフォーマンスなども特徴とする。

 Vue 2.0は、2015年10月に公開したバージョン1.0に続く最新のメジャーリリース。4月にバージョン2.0の開発に着手して以来、APIのデザイン、バグ修正、TypeScriptタイピング、ドキュメンテーションなどに取り組んだという。アルファ、ベータ、リリース候補をそれぞれ8回リリースした後の正式版となった。

 性能では、snabbdomのフォークである軽量のVirtual DOM実装でレンダリングレイヤーを書き直した。また、テンプレートコンパイラも強化し、コンパイル時に一部最適化を行うようになった。たとえば、静的なサブツリーの解析とホステイングにより不要なdiffを取らないようにするなどの最適化が自動で図られるという。

 これらの強化によりオーバーヘッドを大幅に削減でき、また、コア部分のファイルサイズはわずか16KB、vue-routerとvuexを含んだ場合も25KBと軽量さは維持されている。

 サーバーサイドのレンダリング(SSR)もサポートされた。ストリーミングとコンポーネントレベルのキャッシュにより、高速なレンダリングを実現するという。1.0とテンプレートシンタックスの互換性をほぼ維持した。

 TypeScriptタイピングサポートにより、vue core、vue-router(Vue向けのルーター)、vuex(Vue向けのステート管理パターンとライブラリ)のバージョン2.0は、TypeScriptタイピングを含むnpmパッケージが配信される。

 Vue 2.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはMIT License。

Vue.js
http://vuejs.org/