「NativeScript 2.2」がリリース

 JavaScriptでクロスプラットフォームのネイティブアプリ開発ができる「NativeScript」の開発チームは8月17日、最新安定版となる「NativeScript 2.2」をリリースした。UI関連機能の強化やWebアプリケーションフレームワークである「Angular 2」向けの改善などが加わっている。

 NativeScriptはブルガリアTelerikが進めるプロジェクトで、JavaScriptを使って単一のコードでAndroidおよびiOS、Windows向けアプリケーションを作成できる(Windowsは対応予定というステータス)。AndroidやiOS、WindowsのネイティブAPIにアクセスでき、ネイティブアプリと同等の性能と消費電力のアプリケーションを構築できる。CocoaPodsやGradle、npmなどとの併用も可能で、Visual Studio Code(VS Code)向けの拡張も用意する。Angular 2を統合したオプションもある。ライセンスはApache License 2。

 NativeScript 2.2は、5月に公開されたNativeScript 2.0系の最新版。UIではTelerikのDataFormコンポーネントを導入、登録/データ入力/ログインなどの入力フォームを迅速に構築できるという。

 ベータ扱いだったChartが正式版となり、さまざまな形式のグラフを描画できる。なお、Angular 2フレームワークはリリース候補(RC)扱いであるため、今後変更が加えられる可能性もあるとのこと。サイドドロワーナビゲーションも実験的に導入したほか、フィードバックコンポーネントも加わった。

 ツール関連ではAngular 2ベースのプロジェクト向けに、モジュールバンドルの「Webpack」を利用するよう変更した。Webpackは今後ホットリロードメカニズムとして、またバンドルやアプリケーションのサイズと読み込み時間の最適化などの目的で積極的に利用するとしている。Webpack統合を進める一方で、現在のホットリロードメカニズムであるLiveSyncも継続してサポートするとのことだ。

 要求が多かったというバックグラウンドサービスでは、iOSとAndroid向けに2種類のサンプルを用意した。これに加えて、バックグラウンドスレッドでJavaScriptコードを動かすためにWeb Workersのサポートを進めることも明らかにした。Web Workersのサポートは次期版(NativeScript 2.3)で実装する見通しという。

 これらに加えて、Appleの最新のiOS 10ベータ3に対応したほか、VS Code向けの拡張も更新した。バグも修正されている。

NativeScript
https://www.nativescript.org/