オーディオ関連の再生や操作を実現するJavaScriptライブラリ「Howler.js 2.0」

 Webブラウザ向けにオーディオの再生や各種操作機能を提供するJavaScriptライブラリ「Howler.js」の開発チームは7月19日、「Howler.js v2.0」を公開した。HTML5 AudioとWeb Audioと完全な互換性を持つコアと、コアを拡張するプラグイン機構が提供される。

 Howler.jsはWeb向けのオーディオライブラリで、JavaScriptからオーディオの再生や各種操作を行える。プロジェクトはゲーム開発スタジオGoldfire Studiosの支援を受けている。

 Howler.js v2.0ではコードの書き直しが進められ、グローバル(Howler)、グループ(Howl)、単一のサウンド(Sound)という新しい3層構造を導入した。これまでと同様Web Audio APIをデフォルトのオーディオエンジンとして利用し、Internet Explorer(IE)など同APIが利用できない環境では自動的にHTML5 Audioを利用して機能を実現する。

 3層構造により、1系で問題となっていたという複数の音声の再生関連の混乱を解消する。オーディオ再生ではオーディオグループと個々のサウンドを明確に制御できるようになり、サウンド制御のための新しい手法にもつながるとしている。イベントリスナーを設定するcore、オーディオ源の持続時間を返すdurationなども導入されている。

 モジュラー化も進め、コアを簡素化した。コアはHTML5 AudioおよびWeb Audioと100%の互換性があり、Web Audio APIの一部として提供される空間音声(spatial audio)、フィルタなどのツールで拡張できる。まずは空間音声のプラグインを用意、今後コミュニティによるプラグイン開発にも期待を寄せている。

 また、Dolby Audio、CAFFファイルの再生が可能になるなど、多数の機能強化が加わっている。APIの変更も最小限ではあるが行われているとのこと。具体例としては「buffer」オプションの名称変更、「pos」の「seek」への名称変更などが挙げられている。マイグレーションガイドも用意する。

Howler.js
https://howlerjs.com/