2要素認証を強化した「ownCloud 9.1 CE」が公開
ownCloudは7月21日(ドイツ時間)、オープンソースのオンラインストレージ/ファイル共有ソフトウェアの最新版「ownCloud 9.1 Community Edition」を公開した。2要素認証の実装を変更したほか、ワークフローエンジンなども強化した。
ownCloud Community Edition(CE)はオープンソースのオンラインストレージソフトウェア。Dropboxのようなクラウドストレージサービスを自前のサーバーで構築できるソフトウェアで、プライバシや安全性を大きな差別化としている。無償で利用できるCE版のほか、サポート付きの有償版Enterprise Editon(EE)も用意する。
ownCloudは5月にownCloud Foundationとして非営利組織を立ち上げている。なお、時を同じくしてプロジェクトの創業者や主要な開発者によってonwCloudからフォークした「Next Cloud」プロジェクトが立ち上げられている。
ownCloud CE 9.1は3月に公開されたownCloud CE 9.0に続く最新版。最大の特徴は2要素認証の統合。これまではSAML/Shibbolethを使った2要素認証が可能だったが、本バージョンではプラグインによりトークンなどの追加要素を利用できる。これによりアクセスの安全性を改善し、また管理者は個々のトークンを無効化する操作ができるようになった。
また、外部の開発者がフレームワークを利用して、ユーザーがownCloudパスワードを利用してログインする際に使用する2つめの要素を提供するアプリなどを開発できる。総当り攻撃(ブルートフォース攻撃)などの対策になるとしている。
このほか、EEではワークフローエンジンも強化し、ファイルの新規作成や修正といったイベントをトリガーとして設定し、それに応じて任意のスクリプトを走らせることができるようになった。これによりドキュメントを自動的にPDFに変換したり、特定の送信先にメールで送信するなどのことができるという。
Windowsネットワークドライブの処理も強化し、直接通知を管理できるようになった。これによりドライブのスキャンが不要となる。
ownCloud CEはプロジェクトのWebサイトより入手できる。アドレス帳共有「ownCloud Contacts」、スケジュール管理「ownCloud Calendar」、電子メール「ownCloud Mail」などの関連ツールもアプリストアより入手できる。
ownCloud
https://owncloud.org/