デジタル写真エディタ「digiKam 5.6」リリース、仮想ゴミ箱の導入やメタデータワークフローの強化が行われる
オープンソースのデジタル写真エディタを開発するdigiKamプロジェクトは7月5日、最新のメジャーリリース版となる「digiKam Software Collection 5.0.0」を発表した。Qt5へのポーティングを進めKDE依存を削減することで機能改善を進めている。
digiKamは高度なデジタルフォト管理アプリケーション。WindowsおよびMac OS X、Linuxなどで動作する。写真のインポート、ビュー、編集、スライドショーやカレンダーの作成、共有、コレクションの管理などの機能を持つ。
digiKam Software Collection 5.0.0は2014年5月に公開した「digicam Software Collection 4」に続く最新版で、約2年の開発期間を経ての正式版公開となった。
UIライブラリをQt4/KDE 4からQt5へと移行させ、APIを含めて全体の書き直しを進めた。合わせて、KDEプロジェクトへの依存を削減するための変更や最適化を加えたという。これによってKDEへの依存部分の80%が削減されたと報告している。代わってQt依存の利用を増やすことで、他のOSへの移植、コードメンテナンスなどを簡素化できるとしている。将来的にはKDE依存のないQt5版の作成を目指す。
データベースのクエリに用いていたKIO(KDE Input/Output)-slaveをすべて削除し、マルチコア/マルチスレッドの実装を導入した。同時に仮想ゴミ箱フォルダを導入した。これまでのゴミ箱機能はMac OS XとWindowsにポーティングできなかったが、他の商用ソフトウェアと同様に削除したアイテムを保存するため各メインコレクションに隠れたサブディレクトリを利用するようになった。
また、データベースコンテンツと写真のメタデータの同期など、メタデータワークフローの強化も行われた。設定パネルも新しくなり、ユーザーはExif/IPTC/XMPタグを調節してデータベースに日付、コメント、キーワードといった情報を入れることができるようになった。
MySQL/MariaDBインターフェイスの作業も進め、5年前に作成されたMySQLインターフェイスのバグなどの問題を解決した。顔認識データベースもdigiKamコアに統合し、SQLiteまたはMySQLに保存できる。5.0ではSQLiteに代わって最初からMySQLデータベースを設定できるようになった。MySQLはコレクションのアイテム数が10万以上の場合などでSQLiteに比べてメリットがあるとしている。
digiKam 5はプロジェクトのWebサイトより入手できる。
digiKam
https://www.digikam.org/