「Nginx 1.10」リリース、HTTP/2をサポート

 オープンソースのWebサーバーNginx開発チームは4月26日、最新版となる「Nginx 1.10」を公開した。HTTP/2のサポートなどが加わった安定版となる。

 Nginxは高いパフォーマンスを特徴とするWebサーバー。HTTPサーバーおよびリバースプロキシサーバーのほか、メールプロキシサーバー、汎用TCP/UDPプロキシサーバーとしての機能も持つ。オープンソース版は2条項BSDライセンスで公開されている。プロジェクトチームによると、世界で上位にランクされる1000のWebサイトのうち、50%がNginxを利用しているという。

 Nginx 1.10は2015年4月に公開されたNginx 1.8に続く最新の安定版となる。Nginxでは安定版として偶数のバージョンを、開発の場となるメインラインブランチとして奇数のバージョンを採用しており、安定版は年に1回、メインブランチのマイナーリリースは4~6週間のリリースサイクルを持つ。安定版は安定性を重視し、重要な問題があるときのみにアップデートをするというユーザー向け。最新の安定版が公開されると、それまでの安定版は非推奨となる。今回も1.10のリリースにより、バージョン1.8が非推奨となった。

 バージョン1.10はバージョン1.9で開発された機能を盛り込んだ。目玉はHTTP/2のサポートで、このほかにもTCPとUDPプロキシと負荷分散の導入、それにダイナミックモジュールのサポートも加わった。

 OpenSSL 1.1.0との互換性が加わり、SSLv3はデフォルトで無効になった。また、キャッシュマネジャーがキャッシュにある多数の要素をモニタリングし、キャッシュキーゾーンのオーバフローを回避するようになった。このほか、多数の細かな機能やセキュリティの改善、バグの修正が加わっている。

 同時に、次期安定版に向けた開発版となる1.11もアナウンスされた。1.11ではJavaScript実装のプロトタイプに向けた開発などが特徴となるという。

Nginx
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