nginxサーバー設定に利用できるJavaScriptベースのスクリプトエンジン「nginScript」登場

 オープンソースのWebサーバー「nginx」を開発する米NGINXは9月23日、スクリプトエンジン「nginScript」のプレビュー版を発表した。JavaScriptコードを利用したnginxランタイム設定の更新や変更などが可能になるという。

 nginScriptはnginxにスクリプティング機能を加えるもので、Cモジュールを書くことなくnginxの設定を動的に変更できるようにすることを目指すという。設定変更が効率化されることで、運用の効率化も改善するとしている。

 nginxはLuaのモジュールを内包しているが、Luaはあまり使われていないとnginxのオリジナル開発者であるIgor Sysoev氏は開発の経緯を説明している。JavaScriptはよく使われている言語であるうえ、nginxとの相性も良いとしている。一方で、Luaなどすでにnginxに組み込まれている言語を置き換えるものではないとしている。

 nginScriptはJavaScriptをベースとしたスクリプト実行エンジンとなるが、nginxの設定に有用な機能のみが実装され、不要な部分はサポートされていないという。高速に起動するカスタムの仮想マシンとバイトコードコンパイラにより、HTTPサブリクエストなど各種オペレーションを一時停止したり再開する、条件に合致した場合にのみ特定の設定を適用する、リクエストおよびレスポンスの修正、特定のリクエスト向けにnginxの内部オペレーションを調整する、といったことが可能という。

 Sysoev氏はnginScriptのメリットとして、セキュリティ上の脅威からの保護、トラフィックの管理、アプリケーション間で重複する機能の統合などを挙げている。

 nginScriptはnginxの提供するMercurialリポジトリより入手可能。年内にベータ版をリリース予定としている。

nginScript
https://www.nginx.com/resources/wiki/nginScript/