米NGINX、HTTP/2をサポートした「NGINX Plus R7」を発表
米NGINXは9月16日、「NGINX Plus Release 7(R7)」を発表した。オープンソースのHTTP・リバースプロキシサーバー「Nginx」の商用サポート付きエンタープライズ版となり、HTTP/2のサポート、性能の改善などが加わっている。
NGINX Plusは軽量かつ高速のHTTPサーバーNginxに、アプリケーションロードバランサ、モニタリング、高度なキャッシュ制御、ストリーミングメディア配信、稼働中の再設定などの技術を追加し、サポートも提供する商用版。
NGINX Plus R7は4月に発表した「NGINX Plus R6」に続く最新版となる。性能と安全性を強化する最新のHTTP/2標準実装をサポート、フロントエンドのHTTP/2ゲートウェイ、Webベースのサービス向けのアクセラレーターとして実装できるという。HTTP/2サポートはオプション提供のnginx‑plus‑http2パッケージのみで利用できる。運用環境向けではSPDYプロトコルをサポートしたnginx‑plusとnginx‑plus‑extrasの利用を推奨している。
性能の改善も最新版の特徴となる。スレッドプールと非同期I/Oをサポート、これによりコンテンツキャッシングなどハイレベルのディスクI/Oが関連するワークロードを高速化できるという。スレッドプールを利用することで、一部のワークロードの性能を最大で9倍高速にできるとしている。
性能ではこのほか、ソケットシャーディングというマルチコアサーバーの性能を改善する最適化技術を導入、毎秒あたりの要求、遅延の両方で3倍以上の改善が図れるという。ソケットシャーディングはSO_REUSEPORTオプションを使用、利用にはLinux 3.9以上、またはDragonFly BSDが必要となる。
セキュリティも強化し、TCPサービス接続の制限とアクセス制御によりNGINXで管理するサービスに保護ルールを適用できる。NT LAN Manager(NTLM)認証もサポート、Microsoftアプリケーションで実装できるという。
このほか、モニタリングと診断でも新しい統計が加わり、より詳細な情報が得られるようになった。ドリルダウンして問題を突き止め、迅速に設定を変更できるという。
同日提供を開始した。NGINXは年間ライセンス1500ドルから利用でき、30日間の無料トライアルも用意する。
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