CIツール「Jenkins 2.0」リリース

 オープンソースの継続的インテグレーション(CI)ツール「Jenkins」開発チームは4月26日、最新版となる「Jenkins 2.0」をリリースした。パイプライン機能が導入されたほか、使い勝手にフォーカスした機能強化も行われている。

 JenkinsはJavaで実装された継続的インテグレーション(CI)とデリバリーのためのソフトウェア。ソフトウェア開発において発生する各種作業を自動化するためのツールを提供する。プラグインエコシステムを持ち、CVS、Subversion、Git、Mercurialなどのバージョン管理システムをサポートする。元々は「Hudson」というプロジェクト名だったが、OracleがHudsonを商標登録したことで問題が発生したため、2011年に「Jenkins」と名称を変更して再スタートした。ライセンスはMIT License。

 本バージョンの最大の特徴はパイプライン機能の導入。2年かけて開発したプラグイン機能で、Groovyを使ったDSL(ドメイン固有言語)を使用し、デリバリーパイプラインをコードとしてモデリングできるという。バージョン管理、ソースツリーとの併用なども可能。ビルド、テスト、実装のパイプラインを簡素化し、高度なパイプラインも構築できるという。プロジェクトを主導する川口耕介氏はバージョン2.0公開を告知するブログで、コミットとプロダクションの間のオートメーションのスコープがここ数年で拡大しており、フリースタイルプロジェクトでは難しくなっていた、と背景を説明している。

 使い勝手も改善し、インストール後に多種多様なプラグインから最適なものを探して別途設定しなければ使えないという状態に対応した。インストール時に推奨されるプラグインをインストールするオプションを用意したほか、「Create Item」ページを再設計し、新たに「Job Configuration」タブも導入した。これらにより、80%の人の80%のユースケースに対応できるとしている。セキュリティ設定も改善し、保護されていないインスタンスをボットネットや攻撃から保護するという。合わせて、Web UIの改善も図られている。

 Jenkins 2.0は後方互換性もあり、1系からそのまま置き換えての利用が可能という。

Jenkins
https://jenkins.io/