管理と拡張性を強化した「OpenStack Mitaka」が登場
OpenStack Foundationは4月7日(米国時間)、オープンソースのクラウド基盤「OpenStack Mitaka」を公開した。13回目のリリースとなり、管理と拡張性にフォーカスした機能強化が図られている。
OpenStackは4月と10月の年2回のリリースが計画されており、それに従ったリリースとなる。開発コードの「Mitaka」(三鷹)は2015年にグローバルイベントの「OpenStack Summit」が東京で開催されたことから、MではじまるMitakaが選ばれた。345の企業や組織から2336人の開発者が開発に参加したという。
管理面では、クラウド実装とクラウド管理を容易にするための機能が強化された。コンピュートサービス「Nova」では、オプション設定にデフォルト値が定義され、手動で選択すべきオプション数が減らされている。アイデンティティおよび認証サービスを提供する「Keystone」でも、クラウドネットワークにおけるインストール、運用、認証、トークン配布などのID管理関連作業を簡素化した。ネットワーキングレイヤの「Neutron」では、Layer 3のネットワーキングとDVR(Distributed Virtual Router)のサポートを強化した。
拡張性では、前バージョン(OpenStack Liberty)で導入したオーケストレーションサービス「Heat」のコンバージェンスエンジンで、これまでより大規模な負荷と複雑な処理が可能になった。これによって水平方向への拡張が容易となり、ステートレスでの性能を改善するという。同じくLibertyで加わった水平方向のスケールアウト機能Cells 2.0も改善した。これに加え、Keystoneでもトークンに基本情報を暗号化して格納するFernetトークンでサポートするAPIの操作数を増やした。
ダッシュボード「Dashboard」では、OpenStackリソースの状況を確認できる「Curvature Network Topology」インターフェイスを導入した。リソースの状況を視覚的に表示できるビューも用意する。
クラウドリソース上でアプリケーションの開発や実装を行うエンドユーザー向けの体験でも改善を図った。「OpenStack Client」でリソース構築のための呼び出しに一貫性を持たせることで各サービスAPI向けに学ぶことなくリソースを構築できるという。SDKも改善したほか、Neutronでの「get me a network」と呼ばれるネットワーク作成機能についても開発を進めたという。ネットワーク作成、サーバーの紐付け、IP割り当てなどのステップを単一のアクションに統合するもので、Mitakaでは一部を実装した。
コミュニティ向けのアプリやイメージカタログ「Community App Catalog」(ベータ)でも、インターフェイスを新しくするなどの強化が加わっている。
OpenStack Foundation
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