ベアメタル「Ironic」が正式導入された「OpenStack 2015.1(Kilo)」リリース

 OpenStack Foundationは4月30日、オープンソースのクラウド基盤ソフトウェア「OpenStack 2015.1」(開発コード「Kilo」)をリリースした。ベアメタルサービス「Ironic」が正式に導入となったほか、IDサービス「Keystone」でのマルチクラウド環境対応など、既存コンポーネントの強化も行われている。

 OpenStackはオープンソースのIaaS(Infrastructure as a Service)型クラウド環境を構築するための基盤技術。機能ごとにコンポーネント化されており、それらを組み合わせることで独自のクラウド環境を構築できる。米Red Hat、米IBM、英Canonicalなど多数のLinuxベンダーの支持を集めている。

 OpenStack 2015.1 Kiloは2014年10月に公開された「Juno」こと「OpenStack 2014.2」に続くものとなる。OpenStackは半年に1回のリリースサイクルを持ち、Kiloは2015年では初のリリース、通算で11回目のリリースとなる。この間、169の企業や組織、約1500人の開発者が開発に参加したという。

 本バージョンでは1年前に公開されたIcehouse(OpenStack 2014.1)でプレビュー導入された、ベアメタルプロビジョニング機能を提供するコンポーネント「Ironic」が正式版となった。物理マシンへのアクセスを必要とするワークロードのプロビジョニングが可能で、これによりOpenStackはハイパーバイザーを利用する仮想マシン、コンテナ、ベアメタルをサポートでき、各ワークロードを最適な環境に置くことができるとしている。Ironicはすでにホスティングサービスを提供する米Rackspaceが運用環境で利用しているという。

 仮想マシン作成・管理の「Nova」ではAPI検証を強化し、マイクロバージョンによりAPIの変化を確認できるAPI 2.1が加わった(デフォルトはAPI 2.0)。これにより、長期に渡っての利用が想定されるアプリケーションの作成や保守が容易になるという。Ironicサポートのためのドライバや、データベーススキーマ変更が必要な際のライブアップグレードなどの強化も加わった。

 分散オブジェクトストレージの「Swift」では、Erasure Code機能がベータ版として導入された。Erasure Codeストレージポリシーのサポートを可能にし、少ないキャパシティで高い耐久性を実現するという。ただし、CPUやネットワークのリソース要求が高いことから、大規模でアクセスの少ないデータを単一リージョンに保存するような用途向けとしている。このほか、グローバルクラスタレプリケーション、ストレージポリシー指標なども強化した。

 ブロックストレージの「Cinder」では、100以上のドライバーやプラグインオプションによりテストの品質と一貫性を強化したという。複数のコンピューティングインスタンスにボリュームを紐付けられるようになり、可用性を強化したりマイグレーションに利用できるという。

 IDサービスの「Keystone」も強化し、パブリックとプライベートの両方のクラウドを利用するハイブリッド/マルチクラウドワークロードをサポートした。ネットワーキングの「Neutron」では、サービスとしての負荷分散(LBaaS:Load-Balancing as a Service)のためのAPIがバージョン2となった。ネットワーク機能の仮想化技術NFV(Network Functions Virtualisation)のサポートなども強化した。

 Kiloは上記を含む合計12のコンポーネントで構成されており、残りのコンポーネントについても強化されている。

OpenStack Foundation
http://www.openstack.org/