米Microsoft、「TypeScript 1.8」を公開

 米MicrosoftのTypeScript開発チームは2月22日、JavaScriptを拡張したプログラミング言語「TypeScript 1.8」を公開した。JavaScriptファイルをTypeScriptコンパイラで利用できるようになるなど、多数の機能が加わっている。

 TypeScriptは、JavaScriptをベースとしてさまざまな表記法や静的型付けなどの機能拡張を加えたプログラミング言語。JavaScriptコードへのコンパイルが可能で、さまざまなWebブラウザやJavaScript実行環境で実行できる。ライセンスはApache License 2.0。

 TypeScript 1.8は2015年11月末にリリースされたTypeScript 1.7に続く最新版。本リリースではTypeScriptコンパイラであるtscが、JavaScriptコードも受け付けるようになった。この機能は「–allowJs」フラグで有効になり、JavaScriptコードとTypeScriptコードを混在させて利用できるようになる。JavaScriptシンタックス拡張であるJSXのサポートも強化している。

 モジュール拡張として、モジュラーライブラリの設計を強化し、既存のモジュールの拡張が可能になった。また、新たに「文字列リテラル型」が導入された。メソッドに与えるパラメータを指定する際などに利用できる。

 そのほか、コンパイル時にバグを発見できるようにフロー解析の制御を改善したほか、union/intersection型での型推論も改善した。Unreachable codeとしてリーチできないコードを検出してエラーとして知らせるようになり、使われていないラベルもエラーとして扱うようになった。

 TypeScript 1.8は、プロジェクトのページよりコードを入手できる。「Visual Studio 2015」「Visual Studio 2013」向けパッケージやNuGetパッケージも公開されているほか、Node.js向けパッケージマネージャ「npm」経由でもインストールできる。

TypeScript
http://www.typescriptlang.org/