「Mercurial 3.7」リリース
オープンソースの分散型ソースコード管理システムMercurialの開発チームは2月1日、最新版となる「Mercurial 3.7」を公開した。新しい圧縮フォーマット「GeneralDelta」がデフォルトで有効となるなど、多数の機能が強化されている。
MercurialはPythonで実装された分散型ソースコード管理ツール。コマンドラインで動作するクライアントに加え、公式にさまざまなプラットフォーム向けのGUIクライアントを提供している点が特徴。さまざまなワークフローをサポートし、拡張を利用して機能を強化できる。
Mercurial 3.7は、2015年11月に公開されたバージョン3.6に続く最新版。バージョン1.9で実験的に導入されたリポジトリ履歴の圧縮フォーマット「GeneralDelta」が本バージョンよりデフォルトで有効となった。これによって履歴データの容量を最大で10分の1に圧縮できるという。
また、バージョン3.6で実験的に導入されたサーバーサイド拡張「Clonebundles」が正式に利用できるようになった。リポジトリのクローン作成時、あらかじめ作成しておいたbundleデータを利用することでクローンの作成時間や作成時にサーバーにかかる負荷を削減できるという。
コミット時にインタラクティブなコミットを行う「-i」オプションとコミットの修正を行う「–amend」オプションが同時に利用できるようになった。また、ファイルを選択するための構文である「Filesets」では不足ファイルを指定するmissing()命令がサポートさた。マージ機能や「hg shelve」、「hg unshelve」、「hg backout」といったコマンドも強化されている。
このほか「hg log」コマンドの高速化といった性能強化やPyPyのサポート改善も行われている。
Mercurial 3.7はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはLGPLv2。WindowsやLinux、Mac OS X、Solaris 11 Expressなどに対応する。
Mercurial
https://www.mercurial-scm.org/