分散バージョン管理システム「Git 1.9」が公開
分散型バージョン管理システム「Git」の開発チームは2月14日、最新版となる「Git 1.9.0」を公開した。多くのサブコマンドが追加されるなど、多数の機能強化が行われている。
Git 1.9.0は2012年10月に公開されたバージョン1.8系に続くアップデートとなる。本バージョンでは多くの機能が追加されており、一部後方互換性のない機能変更も行われている。
大きな変更点としては、HTTP経由でのトランスポートでGSS-Negotiate認証利用時に「100 Continue」メッセージを利用するように変更された点がある。これにより大規模なペイロードの再送を避けられるとしている。サブシステムではremote-bzr、remote-hgのバグを修正し、git q4、git svn、gitkも更新した。
ワークフローやUI関連では、従来は行えなかったshallowクローンで作成されたレポジトリからのfetchが可能となった。shallowクローンはリポジトリの全履歴を取得するのではなく、最新のファイルのみを取得する機能。shallowクローンで作られたリポジトリには過去の履歴情報が格納されていないため、リポジトリのcloneやfetch、pushといった操作が行えなかった。
後方互換性についてもいくつか変更点があり、たとえば実験的loose-objectフォーマットのリードオンリーのサポートがなくなっており、repo-config、tar-tree、lost-found、peek-remoteなどすでに非推奨となっていたコマンドが削除された。次期版Git 2.0でも互換性に変更がある予定で、引数なしのgit pushをはじめ、git add -u、git add <path>などで挙動が変更すると記している。
GitはLinux、Mac OS X、Windowsなどで動作する。バイナリおよびソースコードはプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはGPLv2。