JBossのオープンソース版「WildFly 10」が公開

 オープンソースのアプリケーションサーバー「WildFly」の開発チームは1月29日、最新安定版「WildFly 10」を正式発表した。JBoss Enterprise Application Platformのオープンソース版となり、Java EE 7に準拠する。

 WildFlyは、米Red Hatが支援するオープンソースのJava EEアプリケーションサーバープロジェクト。旧名称は「JBoss」で、2013年にオープンソース版をWildFlyに名称変更した。柔軟性、軽量なアプリケーションサーバーで、マルチコアプロセッサを活用した並行処理などにより高速に起動する。Javaに加えて、Web SocketなどのWeb技術もサポートする。

 バージョン10は2015年7月に公開されたバージョン9に続くものとなる。Java EE 7 Fullプロファイルに完全に準拠し、Webプロファイルにも対応した。いっぽうでJava 7のサポートが終了され、Java 8ランタイムに密に統合された構造となった。次期Java 9の開発スナップショットも利用できる。

 HTTP/2サポート、ロードバランサーの組み込みなどバージョン9で導入した機能に加えて、ドメインモードでのオフラインCLI(コマンドラインインターフェイス)をサポートした。スタンダロンモードでのオフラインCLIサポートに続くもので、CLI内でホストコントローラーをローカルで起動できる。

 CDI Bean、JPA Entity Beansを呼び出すサーバーサイドスクリプトを作成できるUndertow JS、それにメッセージブローカーApache ActiveMQ Artemisも導入された。これまで利用していたメッセージングシステムHornetQがApache ActiveMQにコードを寄贈し、サブプロジェクトApache ActiveMQ Artemisとなったことに伴うもの。O/RマッパーのHibernate 5もサポートし、Powershellスクリプトもサポートした。

 クラスタ構成のサーバーに実装時にシングルノード上に実装できるSingleton実装を導入、合わせてSingleton MDBも導入した。ステートレスセッションビーンをデフォルトでプールするようになり、システムのリソースに合わせて自動調整するI/O workerプールのサイズに合わせてサイジングできるようになった。

 WildFly 10はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはLGPLv2.1。

WildFly
http://wildfly.org/