「Firefox 44」リリース、プッシュ通知機能が導入される
Mozillaは1月26日、WebブラウザFirefoxの最新版「Firefox 44」を公開した。デスクトップ版でのプッシュ通知のサポートといった新機能が加わっている。WindowsおよびMac OS X、Linux向けのデスクトップ版やAndroid版が公開されている。
2015年12月中旬に公開された「Firefox 43」に続くリリースとなる。デスクトップ版ではユーザーの設定によりWebサイトからのプッシュ通知を受け取ることができるようになった。すでに提供している通知に似た機能だが、タブに読み込まれていないWebサイトについても通知を受け取ることができる点が異なる。電子メールやソーシャルネットワーク、天気など、頻繁に更新がないか訪問するWebサイトに最適としている。プッシュ通知はW3C標準のWeb Pushをベースとしており、メニューから「設定」を選択し、「コンテンツ」で有効にできる。
同じく新機能として、HTTPS接続のコンテンツエンコードでbrotli圧縮フォーマットをサポートした。brotliはGoogleがオープンソース形式で開発する新しい圧縮フォーマットで、LZ77アルゴリズムのモダンバージョン、Huffmanコーディングなどを組み合わせてデータを圧縮する。圧縮率を高めつつDeflateと同等の速度を実現するとしている。
このほか、証明書のエラー発生や接続の安全性を確認できない場合に表示する警告を改善した。また、動画再生時にシステムにH.264デコーダーがインストールされている場合はH.264が利用できるようになった。MP4/H.264をサポートしていないシステム上ではWebM/VP9が有効になる。アニメーションインスペクタのタイムラインも改善した。
セキュリティではストリーム暗号RC4のサポートがなくなったほか、安全なWebサイトの証明として、Equifax Secure Certificate Authorityの1024ビットルート証明書、UTN – DATACorp SGCのルート証明書を受け付けないようになった。
開発者向けとしては、アニメーション向けのビジュアルツール、レイアウトとスタイル向けのビジュアルツールを改善した。メモリヒープを検査するための新しいメモリツールを導入したほか、拡張を利用することなく閲覧、検索、コピー、保存ができるビルドインのJSONリーダーが加わった。
Android向けでは、Android Print Serviceでクラウド印刷が可能となった。プライベートブラウジングのタブでインテントURIを開く際に、確認するようになった。サジェストで検索履歴を表示するようになり、Firefox AccountページがWebベースのものになった。
モバイル向けではAndroidのほか、2015年11月にiOS向けをプレビューリリースしている。iOS向けの最新版は1月14日に公開されたバージョン1.4がある。