[PR]完成度の高いディストリビューション「SUSE OpenStack Cloud」を活用 商用サービスへの迅速な展開が可能なハイブリッドクラウド基盤を構築

 仙台を中心にデータセンター事業を展開している株式会社エスツーでは、顧客の要望に応じたインフラ構築を行うことで、ゲーム・芸能業界や官公庁などその要件にマッチした最適なビジネス基盤を提供している。同社では急激なトラフィック増にも耐えられる柔軟なシステム環境を望む顧客に対して、クラウドコンピューティング(以下、クラウド)をベースにしたインフラ構築を行っているが、クラウド運用に欠かせない仮想ネットワーク基盤として広く普及している「MidoNet」とともにその中核基盤として採用されているのが、エンタープライズ向けに最適化されたOpenStackディストリビューション「SUSE OpenStack Cloud」だ。

導入の背景:拡張性の高いクラウド基盤の構築が急務に

 仙台を中心に複数のデータセンターを東北地方に構え、完全オーダーメイドのフルマネージドサービスを多くの顧客に提供している株式会社エスツー。地の利を活かしたコストパフォーマンスとBCP対策として最適な冗長化構成が可能なデータセンター環境を売りに、ゲーム業界や芸能業界、官公庁など幅広い顧客のシステム基盤を請け負っている。「Gのつく業界へ展開していることから、弊社では“B to G”向けのビジネスモデルと表現しています。小規模飲食店などのお客さまも数多くご利用いただいていますが、売上比率の高いB to Gのお客様が求める基盤構築を中心にビジネス展開しており、現在は4万ほどのIP数を管理、運用しています」と語るのは代表取締役 最高経営責任者(CEO)の須藤 晃平氏だ。他にも、急激に成長しているベンチャー企業へのインフラエンジニアを派遣する事業も展開している。

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代表取締役 最高経営責任者(CEO) 須藤 晃平氏

 そんな同社では顧客が求める最適なインフラの提案から構築、運用までを一手に担っているが、いくつもの顧客から、年に数回やってくるピーク時にも柔軟に対応できるクラウド基盤を求められていたという。「実はこれまでAmazon Web Services (AWS)を活用してインフラを維持・管理してきたお客様で、ブラックボックス化していることによるリスクや急激なアクセスによって発生するコスト増など様々な課題が顕在化していたのです」と須藤氏。そこで、最適なクラウド基盤を模索するべく、そのベースとなるクラウド基盤を選定することになったと須藤氏は当時を振り返る。同時に、縁あって秋田にもデータセンターを開設するタイミングと重なったこともあり、2拠点間で冗長化を図る基盤作りについても併せて検討することになったという。

導入のポイント:わずか3時間!迅速な環境整備が可能なSUSE OpenStack Cloud

ユーザー概要

株式会社エスツー
所在地:宮城県仙台市青葉区一番町2-7-5
設立:2006年5月17日
事業概要:
データセンター事業「杜の都データガーデン」
データセンター向け回線事業
データセンター開発事業
フルマネージドホスティング事業

 基盤作りのポイントについて須藤氏は「OpenStackなどのオープンソースでクラウド基盤を構築することを前提に、仙台と秋田間でHA構成が構築できること、そして分散ストレージ技術「Ceph」が活用できることでした」とその要件を挙げる。顧客から要望のあったクラウド基盤の構築については、他のパブリッククラウドのようにブラックボックス化せず、顧客に安心感を持ってもらうことが目的だと須藤氏。また、HA構成については、新たに立ち上げた秋田の拠点を上手に活用し、BCP対策としても有効活用できる環境を整えるためだという。

 さらにCephについては、全国の支援者から回収したサーバ資産を資源としてリユースすることが目的だという。「東日本大震災の後、不要なサーバやPCを全国から回収し、新たなパーツを組み上げて宮城県の施設に無償提供するプロジェクトを推進してきました。プロジェクトではPCを提供することに主眼が置かれていましたが、提供いただく企業からサーバを回収することが思いのほか喜ばれたのです。そこで、エコロジーの観点からも、回収したサーバ資産を自社のビジネスに活用できないかと考えました。将来的には、分散ストレージ技術を活用して古くなったサーバをストレージとして有効利用したいと考えており、そのためにはCephが扱える基盤を今から構築しておく必要があったのです」と須藤氏はそのきっかけを語る。

 そこで様々なクラウド基盤を検討する過程で同社の目に留まったのが、SUSEが提供するOpenStackディストリビューション「SUSE OpenStack Cloud」だった。「実は1年ほど前から他のディストリビューションを使ってOpenStackを構築しようと進めてきましたが、バグも多く技術支援も十分にいただくことができず、なかなか立ち上がらない状態が続いていたのです。そんな折、以前からお付き合いのある方にSUSE OpenStack Cloudをご紹介いただきました」。もともとSUSEの技術者がOpenStackの中心で活躍していることも、現場の若い技術者にとって大きな安心材料になったと須藤氏。そこで、SUSE OpenStack Cloudを活用したクラウド基盤の実装に取り掛かってみたところ、「SUSEの技術者に弊社内でのテスト環境構築を依頼したところ、わずか3時間程度でOpenStackを立ち上げることができました。そして実際に環境整備を迅速に行うことが可能なだけでなく、安定的に稼働させることができることがわかったのです。以前は1年半ほどかけても商品化できなかったOpenStackですが、わずか3ヵ月程度で商品として販売できるレベルにまで持っていくことができました」と須藤氏は驚きを隠せなかったという。

運用と評価:MidoNetと連携する国内初の商用サービスがスタート

 現在は、ある顧客向けにSUSE OpenStack Cloudを基盤としたクラウド環境を仙台のデータセンターに構築し、急激なアクセスが想定されるタイミングにも十分対処できるスケーラブルな環境を作り上げている。また、秋田との間でHA構成を組むことで万一の災害時にも耐えられるようになっており、ストレージ部分を共通化することで10GBといった単位に切りだして利用できるハイブリッドクラウド環境を作り上げた。「今回は特定のお客様向けの環境ですが、いずれは私たち自身のサービスとなる“ハイスケール・プライベートクラウド”ともいうべき商品を世に送り出す計画です。パブリックとプライベートの優れた機能をうまく融合させる具体的な方法論が提示できるのはSUSEの優れているところ」と須藤氏は評価する。

 また今回注目されるのは、仙台と秋田を繋ぐHAの部分でミドクラジャパン株式会社が提供している仮想ネットワーク基盤である「MidoNet」を採用している点や、Wiproジャパンが持つインフラ利用の状況から請求処理を行うソリューションをパッケージ化した形でインフラに組み込んでいる点だ。「技術的にもビジネスモデル的にも新たな試みです。様々なベンダと組みながら弊社のビジネスに最適な形にアレンジして提供していただけることもSUSEの良さだと実感しています」と高く評価する。なお、L2/L3の仮想スイッチやファイアウォール、ロードバランサー機能を持つMidoNetとSUSE OpenStack Cloudを連携させた商用サービスは、今回が国内初の実績となる。

 SUSEについて須藤氏は、その高い技術力とビジネス的な視点で提案する姿勢に共感しているという。「安定稼働を続けるSUSE OpenStack Cloudだけに、その技術力の高さは十分評価できるポイントです。私たちベンチャーにとってビジネス展開のスピードはもっとも重要なものですが、OpenStackをこれほど素早くビジネス基盤として動かすことができるのはSUSEのおかげだと断言できます。また、弊社のお客様となる開発会社にとって“武器”となる基盤を提供したいと以前から考えていましたが、先進性のあるSUSE OpenStack Cloudであればその環境を提供できるはず。今後のビジネスにも大きく貢献してくれることでしょう」と須藤氏は期待を寄せている。そして一緒になって企業を大きくしてくれるという思いが伝わってくる提案にも感謝していると須藤氏は語る。

今後の展望:ビジネスを共に作り上げるパートナーとして期待

 今後について須藤氏は、SUSE OpenStack Cloudを基盤としてSUSEの様々なソリューションも活用しながら顧客の求めるインフラを構築していきたいと語る。「弊社が目指しているB to Gのお客様が要求するインフラを、素早く安価に立ち上げていくことが私たちの生命線。AWSやMicrosoft Azureなど多くのパブリッククラウドは、利用者の最大公約数を意識した仕様です。高いI/O性能が求められるゲーム業界など、実は業界ごとに求められる機能が異なります。用意されたものの中から選択する自動販売機のような仕組みではなく、会員制の飲食店のようなオーダーメイドなサービスを提供するような存在であり続けたい」と須藤氏。その基盤を支えるSUSE OpenStack Cloudを今後も積極的に活用していく方針だ。

 また、秋田に新設したデータセンターをフル活用し、東京にあるサーバーのバックアップ拠点として活用してもらうようなサービス展開も検討しており、SUSE OpenStack Cloudがエクステンションとして提供するGeoCluster機能を使うことで、新たなビジネス開発も行っていきたいという。他にも、すでにインドネシアに法人を設立するなど海外展開も進めている同社だが、そこでもSUSE OpenStack Cloudを基盤として利用する予定だ。「グローバルに展開するSUSEだからこそ、海外展開でのサポートも期待できます。ぜひこれからも一緒にビジネスを作っていきたい」と今後の展開について語っていただいた。

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