openSUSEの安定版「openSUSE Leap 42.1」が登場
The openSUSE Projectは11月4日、最新のLinuxディストリビューション「openSUSE Leap 42.1」をリリースした。安定版と開発版を分ける開発方針に切り替えて以来初の安定版リリースとなり、「SUSE Linux Enterprise」の次期版をベースとする。
2014年11月に公開された「openSUSE 13.2」に続く最新版となる。この間、openSUSE開発チームは、安定性を重視した「Leap」と最新機能を取り込んだ開発版「Tumbleweed」(ローリングリリース)の2種類に分かれてディストリビューションの構築を行う方針を打ち出していた。LeapはSUSE Linux Enterprise(SLE)のコンポーネント、Linuxの長期サポートカーネル、それにオープンソースを組み合わせることを目指しており、リリースは今回が初となる。
新しい構築方針に基づき、SLEのソースを利用し、コミュニティによる開発とエンタープライズ級の信頼性を組み合わせ安定性のあるディストリビューションとした。SLEは次期「SLE 12 Service Pack 1(12.1)」を利用、バージョン番号はこれに30を足して42.1とした。Linuxはカーネル4.1を採用する。
ファイルシステムはデフォルトがBtrfs、オプションとしてXFSなども選択できる。Btrfsを利用するメリットとして、btrfsのスナップショット管理ツールSnapperをあげている。自動で毎時システムのスナップショットをとるもので、これを利用してシステム復旧ができるほか、管理ツールのYaSTとパッケージマネージャzypper用に事前と事後のスナップショットも作成する。42.1ではSnapperを強化し、スナップショット起動から重要なファイル破損を復旧できるようになった。
パッケージは「KDE Plasma 5」「LibreOffice 5」「GNOME 3.16」「GNU Compiler Collection 4.8.5」などを含む。オプションで「GCC 5.2」も利用できる。
開発関連では、「Qt 5.5」に対応、最新の統合開発環境(IDE)「Builder」によりGNOMEアプリケーションを容易に構築できる。本バージョンではBuilderは3.16を早期プレビューとして導入した。このほか、Glade統合などの機能がある。
システム管理では、「QEMU 2.3.1」「VirtualBox 5.0.6」「Docker 1.8.2」などの仮想化、コンテナ技術を利用できる。YaST、AutoYaST、LinuxrcはSLE 12.1と同じバージョンに合わせた。YaSTは前バージョン(openSUSE 13.2)と比較して600以上のバグを修正し、開発ツールやドキュメンテーションも強化したという。これらに加え、コマンドライン型のアプリケーションシステム管理ツール「Machinery」が加わった。既存のシステムの状況を把握・追跡したり、新しいシステムを作成できるもので、ほかのツールにシステムの説明をエクスポートすることもできるという。
openSUSE LeapはプロジェクトのWebサイトより入手できる。