SUSEが開発する分散ビルドツール「Icecream」、初の正式版がリリース

 openSUSEのIcecreamプロジェクトは4月8日、マルチプラットフォーム対応の分散ビルドツール「Icecream 1.0.0」を公開した。初のリリースから10年かけての「バージョン1.0」リリースとなった。

 Icecreamは、分散コンパイラ「distcc」をベースとする分散ビルドツール。コンパイル処理をリモートマシンに分散して並列処理させることができる。利用できるコンパイルノードのうち最も高速なノードを選択してコンパイルジョブを割り当てるというスケジューラを持ち、distccと比べてより高速に動作するという。また、distccとは異なり、コンパイルノードの環境を同じものにそろえる必要がない点もメリットで、異なるバージョンのカーネルやOSが混在する環境でも利用できる。対応プラットフォームはLinuxおよびFreeBSD、DragonFlyBSD、Mac OS X。

 Icecream 1.0.0では細かい挙動の改善が行われたほか、Clangコンパイラのサポートが加わった。GCCに加えて、ClangおよびClangプラグインを利用できる。ソースレポジトリもこれまでのSubversionからGitHubに移行している。

 Icecream 1.0.0プロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはGPLv2。

Icecream
http://en.opensuse.org/Icecream