「バージョン5.6の3倍」という性能をうたう、「MySQL 5.7」発表

 米Oracleは10月19日(米国時間)、オープンソースのデータベースソフトウェア「MySQL 5.7」の一般公開(GA)リリースを発表した。10月26日よりMySQLのWebサイトより入手できる。2年ぶりのアップデートとなり、前バージョン比で最大3倍高速とする性能などの強化が図られているという。

  2013年2月に登場したMySQL 5.6に続く最新版。Development Milestone Release(DMR)を土台に、性能、拡張性、管理などにフォーカスして開発された。

 性能面が大きく向上し、「SysBench Read-only Point-Selects」ベンチマークテストでは同時接続数1024でのQPS(1秒あたりの問い合わせ数)が160万となった。これはMySQL 5.6と比較して3倍の値だという。ストレージエンジンInnoDBの最適化も図られ、性能と同時実行性を強化した。InnoDBでは、オンラインDDLなどのオペレーション、Spatialインデックス、ネイティブパーティショニングなども強化されている。

 レプリケーション機能も強化し、マルチソースレプリケーションを導入した。5.6系で導入されたグローバルなトランザクション識別子GTID(Global Transaction ID)を強化したほか、マルスレッドスレーブも強化、拡張性と可用性を改善した。また、オプティマイザが新しくなり、クエリの性能と利用制御を改善するという。

 管理面では、MySQL SYS Schema、Performance Schemaなどを強化した。地理情報システム(GIS)のサポート拡大により、InnoDBのSpatialインデックス、GeoJSON、GeoHashサポートなどを利用できる。

 これらに加えてNoSQL関連機能も強化し、JSONデータ型とJSON関数に対応した。スキーマレスデータのストレージ、検索、操作、SQLへの統合、JSONドキュメントのインデックス管理などが改善するとしている。

 複数のMySQLデータベースへの接続が容易になるとする「MySQL Router」も導入した。クエリのルーティングを行うもので、性能とアップタイムを改善できるという。また、MySQL Routerでは管理フレームワークMySQL Fabric向けのクロス言語サポートも提供される。これらによるデータシェーディングの自動化を通じて可用性と拡張性を強化し、管理を簡素化できるという。

MySQL
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