Khronosの次世代グラフィックスAPI「Vulkan」、Androidがサポートへ

 標準化団体The Khronos Groupは8月10日(米国時間)、次世代のグラフィックスAPI「Vulkan」を米GoogleがAndroid OSで採用することを発表した。「OpenGL ES 3.2」と「OpenGL Extensions」も公開した。

 米ロサンゼルスで開催中の「SIGGRAPH」で発表されたもの。VulkanはThe Khronos Groupが3月に発表した最新のグラフィフィックスAPIで、「Next Generation OpenGL Initiative」として進められていた、モダンなGPUに効率よくアクセスするためのオープンなAPIの名称となる。クロスAPI中間言語「SPIR-V」を利用し、モバイル、デスクトップ、コンソール、組み込みシステムなどでマルチスレッド化された高い性能を実現するという。

 今回Googleは、「Android」の3DグラフィフィックスライブラリとしてVulkanをサポートする。これによってドライバでのCPUオーバヘッドを最小に抑え、アプリケーションがGPUを直接制御できるようになる、と期待を寄せている。Vulkanについては、Valveの「SteamOS」、Linux Foundationの「Tizen」、それにUbuntuやRed HatといったLinuxディストリビューションが支持を表明している。

 既存のローレベルAPIの「OpenGL ES」では、「OpenGL ES 3.2」の仕様を公開した。2014年に発表したOpenGL ESの拡張セットで、コンソール級のゲームをAndroid上で実現することを目指す「AEP(Android Extension Pack)」を取り込んだ。ジオメトリシェーダとテセレーションシェーダーのサポート、ASTC圧縮、浮動小数点レンダーターゲットなども盛り込まれている。

 同じく公開されたOpenGL Extensionsはデスクトップハードウェアの最新機能を利用できる拡張で、シェーダー機能、スパーステキスチャなどが加わっている。

The Khronos Group
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