USB 3.0に対応、セキュリティと性能を強化した「Oracle VM VirtualBox 5.0」リリース

 米Oracleは7月9日、オープンソースの仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox 5.0」を公開した。USB 3.0をサポートしたほか、セキュリティと性能にフォーカスした機能強化が加わっている。

 Oracle VM VirtualBoxはオープンソースのクロスプラットフォーム対応仮想化ソフトウェア。仮想マシンの作成や実行を行えるもので、ホスト上に別のOS環境を構築することができる。対応アーキテクチャはx86で、WindowsおよびMac OS X、Linux、Oracle Solarisといったホストで利用できる。

 VirtualBox 5は、2010年12月に公開されたバージョン4に続くメジャーリリースとなる。セキュリティ、性能に主眼を置いて開発が進められたといい、セキュリティ面の強化としてディスクイメージの暗号化機能が加わった。AESアルゴリズム(128bitまたは256bit)を利用して仮想ハードディスクイメージをランタイム時に暗号化できるようになり、安全性を強化できるという。

 性能面ではWindowsおよびLinuxゲストにおいて準仮想化のサポートが導入された。OS側の仮想化サポートを活用することでゲストOSの性能を改善するという。CPUの利用効率も強化した。

 また、xHCIコントローラーでUSB 3.0をサポート、ゲストOSが直接USB 3.0デバイスを認識し、より高い速度で利用できるようになった。USBは1.1および2のサポートも継続する。

 すべてのホストプラットフォーム上でホストとゲスト間でドラッグ&ドロップでファイルをやりとりできるようになるなど、使い勝手も向上している。

 管理画面「Oracle VM VirtualBox Manager」では、バックグラウンドでの仮想マシンの起動が可能になった。SATA仮想ディスクのホットプラグにも対応し、ステータスバーやメニューバーのカスタマイズ用のページも用意した。

 UbuntuおよびFedora」のサポート(デスクトップとサーバー)が加わり、Oracle Linuxではバージョン7のサポートが加わった。Mac OS Xでは「Yosemite」ことOS X 10.10をサポートした。ゲストプラットフォームでは「Windows 10」にも対応した。

 Oracle VM VirtualBox 5.0はVirtualBoxプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。ライセンスはGPLv2。また、一部のコンポーネントは非オープンソースで別途提供されており、こちらは非商用・評価目的でのみ無償で利用できるVirtualBox Personal Use and Evaluation License(PUEL)となっている。

VirtualBox.org
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